Mon
17
Oct
2011
タイムズスクエアに近づくと、デモ参加者の人数は、どんどん増えだした。
参加者は6アヴェニューの両側の歩道を埋め始めていた。
緊張が一気に高まったのは、警察がデモ隊を狭い46番ストリートに誘導した直後だった。目前に見え始めたタイムズスクエアに向かって走り始める参加者が次々に逮捕された。
さらに、すでに動けないほど混雑していたタイムズスクエアにデモ隊が入ろうとしたことで、大混乱になった。車道に出ようとするデモ隊を騎馬警官が無理やり押し戻そうとする。あちこちで女性の悲鳴が聞こえ出す。警察も強引だったが、一部の参加者が衝突を意図的に誘発しようとしていたのも事実。「怖がるな!押せー!!」と叫びながら群集の後ろから強引に押しまくる男性もいた。
主催者のOccupy Wall Streetの発表では、タイムズスクエアに集まったのは数万人。
あつまった参加者は、「我々は99%」などと大合唱して、約2時間ほどで集会は終わった。
最新の世論調査(USA TODAY/Gallup)では、全米の25%がOccupy Wall Streetを支持、
19%支持しないと応えている。残りは、どちらでもないとしている。問題は、4割以上の人が
現在の経済の仕組みに不満を持っていることだ。
デモの参加者の主張はバラバラで、まとまりの無い烏合の衆という見方もあるが、
そもそも同一目標がなければ意味が無いと考えること自体が古いのかもしれない。
フォーダム大学のヘザー・ゴートニー准教授(社会学)は、「Occupy Wall Streetの戦術は
アラブの春、特にエジプトの運動をモデルにしている」と指摘する。カイロではタハリール広場を
拠点に、反政府運動が拡大を続け、最終的にはムバラク政権の転覆に至った。
ゴートニー准教授はOccupy Wall Streetの目標について、「来年の大統領選挙への影響を与えること、
たとえば、金融業界への規制強化などが候補の政治議題にのぼれば成功と言えるだろう」と見ている。
また、コーネル大学のシドニー・タロー教授(政治学)は、今回の動きを「全く新しい形の運動」で
彼らの目的は、「何かを変える」ことではなく、「怒れる自分たちの存在を認知してもらう」ことだと分析する。
Occupy Wall Street運動は、世界100都市に広がったとされる。東京でも15日に500人が参加した。
やはり主張はバラバラだったが、「不満を持っている人々がいる」という事実は伝わった。
<写真・文 NY支局 山野孝之>