4K、米市場参入は初期段階

米調査会社レイクマン・リサーチ・グループ(LRG)はこのほど、47日から米国ラスベガスで開催される全米放送事業者協会(NAB)主催の放送機器展示会「2014NABショー」を前に、4Kテレビに対する米消費者の認知度などを調べた調査結果を発表した。米国ではウルトラHD(超高精細度)テレビなどと呼ばれる4Kテレビを「聞いたことがある」と答えた人は全体の30%にとどまったほか、実際に「4Kテレビを(店頭などで)見たことがある」と答えた人は同グループの三分の一に過ぎなかったことが分かった。NABショーではNHKが解像度が4Kテレビのさらに4倍となる8Kテレビを展示する模様だが、米消費者の4K8Kに対する関心は極めて低いのが現状だ。

さらにLRGの調べでは「4Kテレビを見たことがある」と答えた人の中で「購入したい」と思う人は28%、「4Kテレビのことを聞いたことがある」と答えた人の中では15%となっており、同社は4Kテレビの市場参入は初期段階に過ぎない、と分析している。

一方、同調査では4Kの前世代テレビにあたるHDTV(高精細度テレビ)の普及状態についても発表。米世帯におけるHDテレビの普及率が5年間は34%だったものが、いまでは77%と本格的に普及したほか、2台以上のHDテレビを保有していると答えた世帯も全体の46%に上っていることが分かった。ちなみに、5年前に2台以上のHDテレビを保有していると答えた世帯は11%だった。HDテレビの普及率が77%に達していることを受けてLRGは、「HDテレビは事実上飽和状態に達している。テレビメーカーにとってHDの次世代テレビとしての4Kテレビを市場に送り出す商機と言える」と説明している。

またLRGでは、ペイテレビ事業者(CATV、衛星放送、電話会社の3者が提供する映像配信・送信サービス)が提供するHD番組は5年間前の平均42チャンネルから、現在は82チャンネルとほぼ倍層しており、コンテンツ提供側がHD放送に本格的に取り組んでいる姿がうかがえる、としている。

同調査ではインターネット接続装置内蔵型テレビ「スマートテレビ」の現状についても触れ、過去1年間にスマートテレビを購入したと答えた世帯が全体の22%に上っていることを挙げ「着実な伸びを示している」と分析している。スマートテレビの普及率は現在7%台。ただ、スマートテレビ保有家庭の内、実際にインターネットに接続している世帯は14%にとどまっている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>