タブレットによる動画視聴が急増

  米国でタブレット保有者が急増し、テレビ番組などエンターテイメント・コンテンツとの接触方法に大きな変化が起きている。米コンサルティング会社大手デロイトがこのほど発表した調査報告によれば、タブレット型情報端末や高機能携帯電話(スマートフォン)などデジタル機器保有者の中でこれらの機器を“むさぼるように利用する”ユーザーが全体の37%にも上っていることが明らかになった。昨年比42%増と急増している。

  そして、“むさぼり派”の中で女性が増えているのが特徴だ。一年前には35%だったのに対し、現在は45%と急増しており、「男性ユーザーが先行したものの、女性ユーザーが瞬く間に追いついた興味深い例となっている」(デロイト社)。

中でもアップル社のアイパッドなどに代表されるタブレットを使ったコンテンツ(動画)視聴が盛んで、デロイトはラップトップ型コンピューターを追い越すのは時間の問題と見ている。タブレット利用に占める動画視聴は12年の17%から13年の32%とほぼ倍増していることが特筆される。

また、テレビ番組や映画など動画視聴の際に“レンタルか購買か”の割合を見ると、12年には21だったものが、13年には31と、レンタル視聴が大幅に伸びていることが分かった。

ところで動画視聴にならんで、タブレットをビデオ・ゲームに使う利用者も多いことも浮き彫りになった。

 タブレット視聴急増の背景には、米消費者の間で、テレビ番組などを「好きな時間に好きな場所で」視聴する習慣が根付き始めていることを示すものだが、デジタル機器の利用は「テレビ(受像機)を見ながら」が多いことも浮き彫りになった。同調査ではテレビ視聴者の86%が“ながら族”であることが明らかになっている。

 ちなみに、米調査会社IDCは、13年のタブレット端末の世界出荷台数が前年比50.6%増となる21710万第となり、2億の大台を突破したと発表している。一方、別の調査会社ガートナーは最新報告書で、世界市場における14年のパソコン販売台数が前年比6.6%減となる27600万台に留まり、タブレット型端末は同38.6%増の27000万台となり、パソコンにほぼ並ぶと予想している。

 米国内をみると、米調査会社SNLケーガンは2013年のタブレット保有台数を13000万台と推定。10年の970万台から13倍以上の伸びを示していて、米デジタル機器市場で最も速くシェアを伸ばしたディバイスと位置付けている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>