アメフト番組「TNF」が好スタート

米テレビ新シーズンは各ネットワークとも今月(9月)から順次新番組を織り込みながらスタートさせた。ドラマやコメディー番組など話題作が数多く登場するなかで、CBSネットワークが今季初めて放映権を獲得した木曜夜のNFL(米プロフットボール協会)中継番組『サースデー・ナイト・フットボール(TNF)』に大きなスポットライトが当たっている。

11日のプライムタイム(午後811時)で放送された同番組はCBSと同時にNFLネットワークでもサイマル放送されたが第1回目の視聴率は、ニールセンの速報によれば両社合わせ世帯視聴率13.7%、平均世帯視聴者数2080万人を記録した。CBS07年以来最高の木曜夜プライムタイム視聴率を記録した。

NFLは各チームのレギュラーシーズンの試合数を16試合に厳しく制限。テレビ局にとって高視聴率を確約してくれる中継番組は、CBSネットワーク、Foxネットワーク、NBCネットワークに加えウォルト・ディズニー傘下のスポーツ専門ケーブル局「ESPN」のみに限られているのが現状だ。(4大ネットワークの一角、ABCネットワークはかつて放映権を握っていた『マンデーナイト・フットボール』を姉妹局のESPNに譲っている)。

ところが、NFLはこのほど独自に運営するNFLネットワーク(ケーブル局)が毎週木曜日に放送する番組を地上波テレビネットワークにサイマル放送させる方針を決定。これを受け各社が入札したが、CBSネットワークが競り勝った。放映権は推定27500万㌦に上った模様。中継できる試合は8試合、1試合当たり3400万㌦の勘定だ。CBSが中継する8試合はそのままNFLネットワークが独自のチャンネルで同時に放送するほか、シーズン後半の8試合についてもCBSNFLネットワーク用に中継業務を負う厳しい条件付きだ。

CBSはこれまで同夜プライムタイムには米テレビ界を代表するコメディー番組『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則(邦題)』を放送していたが、月曜日夜に移動させ、同社のプライムタイムはTNFを軸にした編成になる。アメフト中継番組は広告主が最重要視する1849歳層を引き付ける最右翼の番組。CBSTNFをテコに、同層の年間視聴率王獲得を狙ている模様だ。

TNFの登場で、プライムタイムにNBCが日曜夜に放送する『サンデーナイト・フットボール(SNF)』、ESPNの『マンデーナイト・フットボール』と3番組が勢ぞろいすることになる。ちなみに、SNFは昨シーズン、全番組中最多視聴者数(平均2153万人)を獲得している。

<テレビ朝日アメリカ 北清>