【続報】NBCアンカー、6か月降板

 NBCニュースは210日、同ネットワークの看板キャスター、ブライアン・ウィリアムズ氏を6か月間降板させると発表した。この間、給料は支払われないという。ウィリアムズ氏は2003年イラク戦争を現地で取材中に自らが乗り込んだ軍用ヘリコプターがロケット弾攻撃を受けたとしこれを繰り返し伝えていたが、事実とは反することが発覚、米メディア界はもとよりソーシャルメディアなどを介して視聴者から一斉に非難の声が上がっていた。NBCニュース部門の担当社長デボラ・ターネス氏は社内向けの発表文の中で、「このような行為は間違い。ブライアンのような立場の人間(ネットワークニュース番組のメイン・キャスター)が行うべきではない全く不適切な行為だ」と非難した。NBCネットワークを傘下に置くメディア企業NBCユニバーサルの最高経営責任者(CEO)スティーブ・バーク氏も、「ブライアンの行為は何百万人という視聴者がNBCニュースに寄せている信頼を危機にさらすもの。弁解の余地はない」と強く糾弾した。

 視聴率ナンバーワンを守り続けてきた全国向けの人気キャスターがウソの報道で降板させられるという極めて異例な事態にNBCネットワーク関係者はショックを受けているが、この事態をきかっけに根本からの組織変更を余儀なくされる可能性もありそうだ。

降板発表に「キャスターといえども人間。人間はだれでも過ちを犯す。一般市民は半年後には彼を許すだろう」などと寛容論もある。しかしいまのところ、「6か月も画面から消えてしまえば人々は彼を忘れてしまうだろう」「ウソをついたキャスターは二度と信頼を得られないだろう」などと、ウィリアムズ氏の将来に悲観的な見方が支配的だ。すでに後任探しが水面下で進行しているなどのウワサも飛び交っており、同ネットワークの朝の情報番組『トゥデー』の女性キャスター、サバンナ・ガスリー氏などの名前も浮上している。

<テレビ朝日アメリカ 北清>