共和党TV討論会、また高視聴率

2016年米大統領選挙の共和党指名争いに立候補している候補による第2回目のテレビ討論会が916日、ロサンゼルス市近郊のレーガン大統領図書館で開催された。主催者のニュース専門局CNNは、一連の世論調査による平均支持率上位11人を招き午後8時(米東部時間)から3時間を超える長時間にわたり全国向けに放送したが、ニールセン社の速報によれば815分から1115分までの平均視聴者数は2290万人に達し、CNN開局以来の最高記録を樹立した。

 CNN自身の予想と期待を上回った人気の要因は型破りな発言で知られる不動産王ドナルド・トランプ氏の存在。既存の政治に強い反感を持つ一般市民の心をつかみ、“短期間で脱落するだろう”との大方の見方に反し、目下、様々な世論調査でも首位独走中だ。

 ちなみに、CNNのこれまでの政治討論会最高視聴率番組は081月に放送されたヒラリー・クリントンとバラク・オバマ候補(当時)が参加したディベートで、このときの平均視聴者数は832万人だった。

 CNN全番組にわたる最高視聴率番組は93年に放送されたトーク番組『ラリー・キング・ライブ』。司会者ラリー・キング氏が当時の民主党候補アル・ゴア氏と独立候補として立候補したロス・ペロー氏とのインタビューに臨んだが、このときの平均視聴者数は、1680万人だった。

 ところで、CNNは今回のディベート番組中の30秒スポットCM(コマーシャル)に同局レートの40倍相当の料金を課した模様。米広告業界誌アドバタイジング・エイジによれば、CNNのプライムタイム(午後811時)番組の30CM料金は通常約5000㌦。今回は一挙に20万㌦を要求したという。

 また、トップ11人による討論会に先駆けて下位5 人を招いて行われたディベート番組(午後6時)のCM56万㌦で取引された模様で平均視聴者数も通常の数倍となる630万人に達した。ライブ・ストリーミング版(インターネット生中継)も450万人を魅了したという。

 同党TV討論会の第1回目は86日、保守系ニュース専門局Foxニュース・チャンネル(FNC)が主催したが、平均視聴者数2400万人を引き付け、予備選中の討論会としては米テレビ史上最高記録を樹立した。FNCにとっても通常のプライムタイム番組の数倍にあたる高視聴率となったほか、ケーブル局全体でも歴代9位につける高視聴率を樹立していた。

 民主党候補による第1回目の討論会はCNN主催で1013日に開催予定。

<テレビ朝日アメリカ 北清>