アメリカン・メディア
372号    平成17年03月18日    編集:テレビ朝日アメリカ・インク

アメリカン・メディア

アメリカン・メディア米紙の悩みはオンライン版の経営圧迫
アメリカン・メディアCBSラザー氏、最終回は高視聴率
アメリカン・メディア子供の日常生活、多様メディアで飽和状態
アメリカン・メディア米ブロードバンドが本格普及率


米紙の悩みはオンライン版の経営圧迫

米有力紙ニューヨークタイムズ紙は14日、同紙のインターネット上の閲覧者数が新聞購読者の数を始めて上回ったことを明らかにした。同紙によると、2004年の週日版発行部数の平均は112万4千部だったのに比べ、同紙ウェブサイトへの1日当たりの平均ユニーク・ビジター数は140万件に上った。

米国ではニューヨークタイムズ紙ばかりでなく、新聞をネット上で“無料購読”する人が急増中で、各紙にとって経営を根幹から揺るがす深刻な問題となっている。

もちろんウェブサイトの人気上昇に伴い、バナー広告などネット上の広告収入も増えてはいるが、まだまだ総収入の2〜3%程度。メディア調査会社ボレル・アソシエーツの副社長コルビー・アトウッド氏は、「大事なコンテンツをネット上とはいえ、このまま無料で提供してもいいものだろうかという思いが広がっている」と、新聞社の複雑な心境を代弁している。

新聞社側は、発行部数が下降線を辿れば、取材費などの削減を余儀なくされ、記事の内容や質に大きな影響が出ると憂慮している。

ニューヨークタイムズ紙は間もなくネット版の有料化に踏み切る気配だが、ほとんどの新聞社では、「無料提供を続ける新聞社が多い中で、自社だけが有料に切り替えれば購読者に背を向けられてしまう」などと、当面は有料化には消極的だ。インターネット利用者の間では、音楽のダウンロードや、ゲームは有料だという意識が定着している一方で、新聞や雑誌のウェブサイトは無料だという捕らえ方が定着していることも見逃せない要因だ。

全米1,456に上る新聞社のうち、ウェブサイトを有料化させているのはウォール・ストリート・ジャーナル紙など40紙のみ。ほとんどの新聞社が基本的なアクセスは無料に設定し、古い記事の検索などの特別なサイトについては課金している。


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CBSラザー氏、最終回は高視聴率

米CBSネットワークの『CBSイブニング・ニュース』の看板キャスター、ダン・ラザー氏(73歳)が9日、最後の番組に出演して降板した。ラザー氏はキャスターの座を24年間勤めたベテランジャーナリスト。全盛期には時の大統領らと並び、“米社会に最も影響力を持つ人10傑”に常にランクされていたが、晩年はNBC、ABCのキャスターに視聴率戦争で大きく水を開けられ放しだった。

しかし、最終回の視聴率はラザー氏との別れを惜しむかのように、通常を50%も上回る視聴者が他局から流れ、視聴率も全米テレビ世帯の70%に相当する56都市で、過去5年間最高となる7.3%を獲得。この日ばかりは『NBCナイトリー・ニューズ』の6.5%、『ABCワールド・ニュース・トゥナイト』の6.4%を抑え堂々横並び一位だった。

ちなみに、同視聴率は昨年12月、長年ライバルだったNBCナイトリー・ニューズのキャスター、トム・ブロコー氏の最後の番組が記録した10.7%には及ばなかったものの、定時ニュース後のプライムタイムに放送されたラザー氏の活躍を振り返った特別番組『ダン・ラザー:A Reporter Remembers』は視聴者数919万人を魅了した。

ラザー氏は昨年、米大統領選挙戦の最中、ブッシュ大統領の軍歴に関する報道が誤報だったことに責任をとる形で降板を決めたが、身内からは「キャスターに君臨した期間が長すぎた」(前任者ウォルター・クロンカイト氏他)などといった批判の声も聞かれ、ちょっと寂しい降板劇となった。なお、ラザー氏降板後は、CBSのベテラン記者でシーファー次期駐日大使のお兄さんでもあるボブ・シーファー氏が勤めているが、正式な後継者は決まっていない。


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子供の日常生活、多様メディアで飽和状態

米国が抱える様々なヘルスケア問題の調査にあたっている非営利団体「カイザー・ファミリー財団」はこのほど、未成年者(8〜18歳)とメディアの関係を調査した報告書を発表した。

それによると、この年代の子供たちがテレビ視聴やインターネット利用、そしてCDなどを聞くために割く時間は1日当り6時間半にも上ることが分かった。また、ほとんどの子供がテレビを見ながらインターネットにアクセスするなど、いわゆる“乍ら族”が急増していることも今回の調査で明らかになった。この乍ら族が同時に利用するメディアを合算すると合計8時間半にもなり、フルタイムで働く成人の就業時間を上回るほどだという。

子供たちが一番利用するメディアはテレビ。DVDや収録した番組視聴なども含め1日3時間51分。2番目に多いのが、ラジオやCD、さらにはいま流行のMP3を含む音楽メディアが1時間44分。3番目にはコンピューターの1時間2分。以下はビデオゲームの49分などが続いた。逆に学校や親が奨励する読書時間(新聞や雑誌も含む)は43分だった。

ワシントンで開かれた同発表会に出席したヒラリー・クリントン上院議員は、「今回の報告で子供たちがビデオゲームに氾濫する暴力シーンや、テレビなどで放送されている不健康食品のCMに極端に露出している事実が再確認された」と述べ、新たなガイドライン導入の必要性を訴えたほか、「責任ある親の関わり方も問われている」と警告した。


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米ブロードバンドが本格普及率

米調査会社レイクマン・リサーチ・グループはこのほど、昨年のブロードバンド(高速大容量)通信の新規契約数が全米20大市場のプロバイダーで860万世帯を記録し、これまで最高だった2003年の120万世帯を大幅に上回る新記録を樹立したことを明らかにした。この結果、ブロードバンド総契約数は3,320万世帯となった。20大市場の全国の占有率は95%。

新規契約数の内訳を見ると、デジタル加入者線(DSL)が前年比43%増と大きな伸びを見せ、420万件。レイクマンによると、「2004年は電話会社などのプロバイダーが本腰を入れDSL普及に勤めた年として記憶されるだろう。米国家庭のブロードバンド普及に大きな弾みをつけた」と分析している。ケーブルテレビ(CATV)は440万件だった。

レイクマンによると、CATVを使ったブロードバンド接続は全体の60%に当たる1,990万世帯、DSL経由のものが1,330万世帯となり、双方のギャップが縮まっているのが特徴だ。

また、ブロードバンドの普及が本格的になったことで、様々な方面に新たな事業気運が生まれ始めている。その一つが、広告業界。インターネット上で放送並みに動画でCMが視聴出来る環境が整ったとあって、インタラクティブ広告代理店のアベニューA/レザーフィッシュでは、「今年は、広告主がブロードバンド・ユーザーを想定したCMに本格的に取り組み始めることになるだろう」と予測している。

その他、ブロードバンド経由で短編映画やミュージックビデオを配信する会社も現れ、ヤフーなどポータル大手もブロードバンド・サービスを念頭にビデオ検索などの新しいリンクやコンテンツなどを考え始めている。


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