アメリカン・メディア
419号    平成18年05月19日    編集:テレビ朝日アメリカ・インク

アメリカン・メディア

アメリカン・メディアCM視聴率、地上波に軍配
アメリカン・メディアFox、大リーグ契約更新に難色
アメリカン・メディア米国初の乳児向け専門局誕生
アメリカン・メディア米W杯人気、ブレークは時間の問題?


CM視聴率、地上波に軍配

米国では相変わらず地上波テレビ局とケーブル局の間で、厳しい視聴率シェア争奪戦が繰り広げられているが、放送事業者にとって重要なCM視聴率獲得合戦では地上波に分があることがこのほど明らかになった。

米メディア・サービス大手「マグナ・グローバルUSA」の調査結果によると、地上波では番組がCM入りすると視聴率が7%程下がるが、ケーブル局のほうは11%も減少することが分かった。また、番組1時間あたりのCM枠の回数は、地上波局では平均5回、ケーブル局で4回という結果も出ているが、「ケーブルでは回数が少ない分、一つの枠に詰め込まれたCMが多くなりがちで、そのためCM中に席を立つ人が多くなるのではないか」(調査関係者)という見方も出ている。

しかし、ケーブル局の中にも地上波並みにCM視聴率が高いチャンネルがあるという結果も出ている。ニュース専門局「Foxニュース・チャンネル」、裁判・犯罪専門局「コートTV」、映画を中心としたエンターテイメント局「ブラボー」ではCM離反率が地上波局と同等だという。

また、同調査では番組開始から最初のCMが放送されるまでの時間が長ければ長いほど、CM視聴率が高くなるということも分かった。さらに、米国で人気の犯罪捜査ドラマ「CSI科学捜査班(邦題)」(CBS)や「ロー&オーダー」(NBC)では、事件の結末などクライマックスが放送される番組の最後尾で放送されるCM視聴率が極めて高いことも分かった。

一方、デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)の利用世帯ではCMスキップ視聴率が75%にものぼることが分かり、テレビ局にとって気がかりなデータとなっている。


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Fox、大リーグ契約更新に難色

米大リーグのプレーオフやワールドシリーズの全国向け独占放送権はFoxネットワークが所有しているが、今シーズンをもって満期となる契約の更新に関するFox側の発言が波紋を投げかけている。

問題の発言は、Foxネットワークの親会社、ニューズ・コーポレーションのピーター・チャーニン社長によるもので、チャーニン氏は「大リーグとの関係はこれまで良好に保たれてきた。契約更新が出来たらこの上なく幸せだと思っている。しかし、新契約は我々に利益をもたらすものでなければならない。赤字経営を強いられる契約には調印するつもりはない」と述べ、大リーグの出方次第では交渉決裂もあり得ることを示唆している。 v チャーニン氏はまた、「Foxは(コンテンツとしての)野球に対しては率直な受け止め方をしている」と述べているが、昨今の状況を見て野球がこれ以上の視聴率を獲得することは難しとの考え方を示したものだ。

Foxでは2000年以来、6年間総額26億ドル(約2,860億円)の契約を大リーグと結んでいるが、すでに2億ドル(220億円)の赤字運営になっているという。

Foxと大リーグの独占交渉期間はすでに昨年12月31日で終了していることから、大リーグではスポーツ専門局ESPN(ウォルトディズニー傘下)やNBCネットワークにも打診している模様だ。ただ、ネットワーク間には、スポーツ番組は権料が高い割には視聴率が稼げないという共通認識が広がっており、交渉の行方が注目される。


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米国初の乳児向け専門局誕生

米国で5月11日、世論を二分するテレビ専門局が立ち上がった。チャンネル名は「ベビー・ファーストTV(BabyFirstTV)」。同チャンネル関係者は、「乳児向け専門チャンネルは初めての試み」と胸を張っているが、「乳児のテレビ視聴は有害になる可能性がある」とした警告を発している米国小児科学会(AAP)などからは一斉に批判の声が上がっている。

家族の健康問題などを研究する団体「カイザー・ファミリー財団」が2003年にまとめた報告書によると、毎日テレビやDVD視聴をしている2歳以下の乳児は68%にも上る模様で、AAPではこうした乳児のテレビやDVD視聴の自粛を呼びかけている。

AAPでは、乳児の発育に重要な「他の幼児との交流や、おしゃべりを学ぶ機会」がテレビ視聴時間などに奪われていると指摘している。

ところで、AAPではこのほど、教育目的とされたDVDなどの大半が過大広告を含んでいる可能性があるとして連邦取引委員会(FTC)に異議申し立てをした。

こうした批判に、ベビー・ファーストTVのシャロン・レクター専務は「米国の乳児の多くがすでにテレビを視聴しているのが現状。我々の目的は、こうした乳児を対象に、安全で的確な番組を放送することだ。乳児の親にも有益な情報源となるはずで、重要なチャンネルになることは間違いない。CMも放送しない予定だ」と反論している。

ベビー・ファーストTVの配信は当面、米衛星放送ディレクTVの加入者のみに限られているが、今年中にはケーブルTVでも配信したいとしている。同チャンネル視聴料は月額9.99ドル(約1,100円)。


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米W杯人気、ブレークは時間の問題?

来月に開催が迫ったサッカー・ワールドカップ(W杯)は、視聴者数が五輪中継を上回る世界最大のテレビイベントであるにもかかわらず、米国では関心度が低く一向に盛り上がらないのが現状だ。国民の間にサッカーは「子供や意気地なしのスポーツ」という捕らえ方があるほか、争う得点数が少く、国民性にそぐわないという指摘もあり、メジャーなスポーツとして認知されていない。

前回、日本と韓国で同時開催された2002年大会の時もABCネットワークが10試合全国向けに放送したが、平均視聴率が1.4%、平均視聴世帯数148万件と散々な結果だった。

しかし、不人気ぶりにも変化の兆しが見えてきた。米国チームが世界ランキング4位(5月)と実力チームに成長してきたこともあるが、やはり大きな要因はサッカーファンが多いヒスパニック系(スペイン語を話す中南米系)人口が約4,200万人と急増していることだろう。

となると広告主やメディアの注目度が増すのが自然の流れ。スポーツ用品メーカー、アディダスが米サッカー・トップリーグ「メジャーリーグ・サッカー」(MLS)と10年間に渡る公式スポンサー契約を結んだが、契約金は1億5,000万ドル(約165億円)が支払われた。

また、ウォルト・ディズニーが昨年暮れ、国際サッカー連盟(FIFA)との間に2007〜20014年の英語版独占放送契約を締結したが、放送権料は1億ドル(約110億円)。ちなみに、契約には期間中に開催される2010、2014年W杯のほか女子サッカーW杯、FIFAコンフェデレーションズ・カップが含まれる。

さらに、スペイン語放送の独占権は全米向けスペイン語放送をするユニビジョンが権料3億2,500万ドル(約358億円)で獲得した。ディズニー・ユニビジョン両社を併せると4億2,500万ドル。FIFAによると一国が払うW杯放送権料としてはこれまでの最高額となっている。


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