アメリカン・メディア
492号    平成19年12月14日    編集:テレビ朝日アメリカ・インク

アメリカン・メディア

アメリカン・メディアウェブ専用番組が地上波にデビュー

アメリカン・メディアニールセンが違法投稿防止サービス

アメリカン・メディア08年広告費、五輪・選挙で一定の伸び

アメリカン・メディア米脚本家組合ストが越年の可能性


ウェブ専用番組が地上波にデビュー

米巨大メディア・娯楽企業「ニューズ・コーポレーション」社傘下の人気ソーシャル・ネットワーキンング・サービス(SNS)、「マイスペース」などで放送された動画番組が大人気を博し、リメイク版が地上波で放送されることになった。

話題になっている動画番組は、大学を卒業し、共同生活を始めた8人の女性の様々な体験を描く、「Roommates(ルームメイト)」と20代の若者男女がビデオブログで友達の秘密を暴露するなど、デジタル世代の交友関係を描く「Quarterlife(クォーターライフ)」の2作。

エミー賞受賞経験者でもあるプロデューサー・コンビ、マーシャル・ハースコビッツ氏とエドワード・ズウィック氏が制作したクォーターライフは、11月11日にデビュー。マイスペースをはじめ、独自サイト(Qaurterlife.com)、さらにはユーチューブ(YouTube)などSNS系サイトで配信されている。1本8分間、36話構成になっているが、これまでに合計200万件の視聴数を獲得した。毎回平均25万件の視聴数を得ているという。マイスペース独占で10月21日から配信が始まった「ルームメイト」は1話3分間、45話構成になっているが、ほぼ同数のファンを引き付けているという。

ハースコピッツ氏は、業界紙「ハリウッド・レポーター」に、「これまで慣れていたテレビ番組制作とは違い、インターネットのみでしか視聴できない番組を制作することは、驚きでもあり挑戦的なことだったが、これほどまでに大きな反響を得られるとは思っていなかった」と語っている。

そしてクォーターライフは2008年初頭、ウェブ上で配信された全36話が6話に再編集されNBCネットワークで放送されることが決まった。番組関係者によると、インターネット専用に制作された番組が地上波で後追い放送されるのは米テレビ史上初めてのケース。
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ニールセンが違法投稿防止サービス

米視聴率調査最大手「ニールセン」社がインターネット上への違法投稿防止サービスを展開することになった。「ニールセン・デジタル・メディア・マネージャー」と呼ばれる新サービスは、デジマーク社(本社:オレゴン州)と共同で開発するが、同社の視聴率測定「ピープルズ・メーター」の基になっている「デジタル・ウォーターマーキング」と「デジタル・フィンガープリンティング」を活用する。あらかじめ米テレビ番組に埋められたデジタル・コード(ウォーターマーキング)や俳優の音声を認識し(フィンガープリンティング)、インターネット上などに投稿されようとしているコンテンツを、ネットワークなどから提出されているリストと照合しながら事前に識別、違法投稿を防ぐというもの。

ニールセンでは、NBCユニバーサルやディスカバリー・チャンネルなどテレビ・ネットワークを始め、人気ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「マイスペース」や人気動画共用サイト「ユーチューブ(YouTube)」などに新サービスへの加入を呼びかけている。

米国ではテレビ番組のネット上への違法投稿が大きな問題になっており、今春、巨大メディア企業「バイアコム」がユーチューブと親会社のグーグルを相手取って、総額10億j(約1,200億円)の損害賠償を求めて提訴したことはまだ記憶に新しいところ。

ニールセンでは、「ニールセン・デジタル・メディア・マネージャー」技術が、インターネット・マーケティングの測定などにも威力を発揮するとしているほか、近い将来、DVD、映画、ビデオゲーム、音楽などのコンテンツ流出防止にも応用したいとしている。新サービスの実用化は2008年半ばを目標にしている。
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08年広告費、五輪・選挙で一定の伸び

米メディア界で広告市場の年間成長率予測の権威として知られるアナリスト、ロバート・コーエン氏(米広告代理店大手ユニバーサル・マッキャン社)が2008年の総広告費の推定値を発表した。ニューヨークで開かれた投資銀行大手UBS主催の会議に出席したコーエン氏は、「米経済は曇り勝ち。先行きが不透明な状況だ」としながらも、来年は北京五輪や大統領選挙が行われることを挙げ、総広告費は3.7%の伸びを示し2,944億j(約32億3,840億円)に達するとの見通しを明らかにした。

また、カナダのメディア調査会社「BMOキャピタル・マーケッツ」の上級アナリスト、リー・ウエスタフィールド氏は、「4大媒体の中で、新聞・ラジオ・雑誌業界ではすでにリセッション入りしているとの認識が高まっている」との見方を示しながらも、「五輪・大統領選効果についてはコーエン氏に賛同」、08年の広告費は3.6%の伸びを示すとしている。

ところで両者は、07年の広告費をたびたび下方修正してきている。最終的にはウエストフィールド氏が06年度比2.6%増、コーエン氏はわずか0.7%の増加に留まると推定しているが、こうした不振ぶりが目立った07年に比べれば08年は若干希望が持てる年になりそうだ。

そして、両者の予測の中で、異論のないのがインターネットの躍進ぶり。コーエン氏によると、今年に続き媒体の中で一番の伸び率を示すのがインターネット。来年の広告費は16.5%の伸びを見せるという。

ところで、五輪効果については、CBSネットワークのマーケットリサーチ部門担当責任者、ディビッド・ポルトラック氏が、「五輪のおかげでCM枠が供給不足状態になり、ネットワーク全体にとって好機が生まれる年になるはずだ」と期待感をにじませている。ちなみに、北京五輪の独占放送権はNBCネットワークが握っている
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米脚本家組合ストが越年の可能性

11月5日にストライキ入りした全米脚本家組合(WGA)と映画・テレビ業界団体を代表する、全米映画テレビ制作者(AMPTP)との間で行われた労使交渉が12月7日、物別れに終わった。

12月4日から始まった交渉は、WGAスト突入以来2回目。交渉は4日間に渡り、一時、両者の主張の溝が埋まりつつあり、今度こそは妥結するのではないかなどとする楽観論も出た。しかし、交渉後、AMPTP側は声明を出し、「WGA側は次々に不当な要求を出し、交渉の進展を妨げてしまった。いったい交渉をまとめる気があるのか」などとWGAを批判すれば、WGA側も、「交渉とは偽り。AMPTPは最後通告をつきつけるばかりで我々の要求に耳を傾けようともしない」などと、応酬し合う有様。次回の交渉日も決まらず、ストが年越しする公算が強くなってきた。

これまでの交渉では最大の焦点はテレビ番組のインターネット配信などから上がる利益配当とされていたが、複数の米メディアによれば、WGA側がリアリティー番組やアニメ番組の脚本家を傘下に入れるよう要求したことなどが決裂の一因になった模様。 WGAには12,000人に上る映画やテレビなどの脚本家が加入しているが、ストは制作プロセスが長期に渡たる映画界よりは短期で行われるテレビ界を直撃する形になっている。

米ネットワークは、このままストが続けば、現在放送されているプライムタイム向けドラマ番組が新年早々品切れ状態になり、再放送やリアリティー番組満載の編成を余儀なくされる。また、毎年5月、ネットワークが広告主に対して行う新シーズン向けの編成発表とCM枠の予約販売「アップフロント」の実施が危ぶまれるほか、新シーズンが9月に始まる現行サイクルの見直し機運が高まるなど、ネットワーク運営の根幹にまで大きな影響を及ぼす可能性も出てきた。


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