アメリカン・メディア
581号    2009年11月06日    編集:テレビ朝日アメリカ・インク

アメリカン・メディア

アメリカン・メディア広告市場の回復時期に異論

アメリカン・メディア携帯電話向け番組配信方式が正式決定

アメリカン・メディアNFL番組に今シーズン最高値CM

アメリカン・メディア米紙トップ25社発行部数が10%減少


広告市場の回復時期に異論

世界最大規模の広告会社が、「広告市場が回復基調にある」などとする市場の見方に慎重な構えを示している。オグルヴィやヤング・アンド・ルビカム、さらにはJWトンプソンなどの大手広告代理店を傘下に置き、世界最大の売上高を誇る(ウォールストリート・ジャーナル紙)WPPグループ(本部:ロンドン)の最高経営責任者(CEO)マーチン・ソレル氏は、「消費者や企業の間の信頼感指数が、パニック・レベルにあった2008年第4四半期や2009年第1四半期に比べ格段に改善されていることは疑いの余地がない。しかし、回復宣言をするには時期尚早だ」と楽観論を戒めている。


フランスに本部を置く広告代理店グループ、パブリシス・グループのCEO、マーチン・レビー氏が先に発表した、「広告市場はすでに緩やかな回復を始めている」とした見方に異議を唱えるもの。レビー氏の予報は、広告業界トップが出した初の楽観論として業界の注目を集めていた。


ソレル氏によれば、「為替レートや企業買収の経済効果などを差し引きすれば、2009年第3四半期の広告売上高は、第2四半期の10.5%に比べ改善されてはいるものの、前年同期比8.7%減少しており、回復とは呼べない状況」。ソレル氏は、「前年比並みに回復し始めるのは2010年に入ってからのこと」と予測している。


しかし、ソレル氏の警告にもかかわらず、市場はレビー氏の見方を好感。皮肉にもWPPグループの株価は4.6%上昇した。パブリシス傘下の広告代理手大手「ZenithOptimedia」によれば、2010年の世界広告市場は0.5%の成長に転じるという。


ところで、景気後退による広告不況は、世界中の広告会社にも大きな悪影響を及ぼしている。WPPグループでは、今年9月、全従業員の10%の人員カットを決行したばかり。リストラ後の従業員数は101,333人となっている。


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携帯電話向け番組配信方式が正式決定

米国内における地上波デジタル帯域を使った携帯電話向けの番組配信方式が10月中旬、正式に決まった。米高水準テレビシステム委員会(ATSC)が発表したもので、テレビ局、伝送会社、全米家電協会(CEA)などの全面支持を集めた。新方式はA/153あるいはATSC-M/H(ATSCモバイル/ハンドヘルド)と名付けられた。


方式の開発は2007年5月にスタートしたが、わずか2年強という短期間で採択された。全米800のローカル局が参加した同盟組織オープン・モバイル・ビデオ・コーリション(OMVC)とATSCとの緊密な連携プレーのおかげ(業界誌ブロードキャスティング&ケーブル)と高く評価されている。


地上波テレビ放送の完全デジタル化によって国に返還されたアナログ波をオークションでライセンス取得した通信会社などによる動きも刺激となったようだ。OMVCからライバル視されている米無線通信技術大手クアルコムは、携帯電話向けテレビ配信サービス「フローTV(旧メディアフロー)」の展開に着手しているが、携帯電話大手なども市場参入することは確実で、OMVCにとって、これ以上の遅れをとることは許されない状況にあったといえる。


CEAのゲリー・シャピロ会長は、「A/153が正式に採択されたことで、チップ・メーカーや携帯電話メーカーが本格的な製造体制に入ることができる」と、歓迎の声明を発表。専用受信機は2010年に販売される見通しを示した。


全米放送事業者協会(NAB)も、「携帯端末向けテレビ配信が本格化することで、ローカル局やネットワークテレビ番組が屋外でも手軽に見られるようになる。放送業界にとって画期的な出来事だ」賞賛している。米国ではすでに30のローカル局がモバイル向け番組配信を始めているが、来年初頭には70局に増えるという。


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NFL番組に今シーズン最高値CM

9月中旬から始まった米テレビ新シーズンのCM料金の状況が明らかになった。広告業界誌アドバタイジング・エイジによれば、今季スポットCMの最高額を獲得したのはNBCネットワークが毎週日曜夜に放送する米プロ・フットボール(NFL)試合の中継番組「サンデー・ナイト・フットボール」。昨年度の43万4792jには及ばないものの、同番組で放送される30秒CMの平均価格は33万9700j(約3060万円)の高額で取引されている。


同誌は、同番組のCMが高額となっている背景について、常に高視聴率を獲得しているばかりか、広告主が懸念するCM飛ばし視聴がされにくい、スポーツ生番組であることを指摘している。


しかし、スポーツ番組が高額CMの条件になっているわけではない。今シーズン、“最も高い番組”にランクされている10番組のうち、スポーツ番組は「サンデー・ナイト・フットボール」のみ。あとの9番組はすべてドラマ番組だ。中でも、ABCネットワークのベテラン番組で、日本でもおなじみの医療ドラマ「グレイズ・アナトミー恋の解剖学(邦題)」が24万462j(約2164万円)、同じくABCのサスペンス・コメディー「デスパレートな妻たち(邦題)」が22万8651j(約2058万円)などに高額CMがついている。


また、今シーズン初登場した番組の中で最も高額なCMがついたのがABCネットワークのサイファイ・ドラマ「FlashForward」。同番組の平均料金は17万5724j(約1582万円)。同ネットワークのコメディー番組「モダン・ファミリー」などが続いているが、Foxの若者向けミュージカル・コメディー「Glee」も12万7350j(約1146万円)で新番組中4位にランクされている。


一方、新シーズン半ば(1月)には、米テレビ界を代表する人気番組として定着しているオーディション番組「アメリカン・アイドル」(Fox)が控えているが、同番組の30秒CMは、36〜49万j(約3240〜4410万円)で取引される模様。


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米紙トップ25社発行部数が10%減少

米紙の発行部数の減少傾向に歯止めがかからない。今年3−9月期の全国日刊紙の発行部数は前年同期比10.6%も減少。米発行部数監査会(ABC)によれば、1940年代に比べ一日当たりの発行部数が4400万部の減少を示している。こうした新聞業界の惨状を、米国を代表する名門紙、ニューヨーク・タイムズは、「雪崩現象のようだ」と評している。


全米トップ25の新聞の中で、最も発行部数減少幅が大きかったのが、サンフランシスコ・クロニクルの25.8%減(同前年同期比)。これにニューヨーク近郊のスター・レジャー・オブ・ニューアーク22.2%減、ダラス・モーニング・ニューズ22.2%減、ニューヨーク・ポスト18.8%減、ボストン・グローブ18.5%減などと続いている。米国では数少ない全国紙の一つ、USAトゥデーも17.1%減となった。


トップ25の中で、発行部数が増加となったのはたったの3紙。ライバル紙が軒並み廃刊となり、“地元唯一の新聞”となったシアトル・タイムズ紙32.6%増(同前年同期比)と、デンバー・ポスト紙61.9%増。全国経済紙ウォールストリート・ジャーナル紙は0.6%増となった。ウォールストリート・ジャーナルの発行部数には電子版(有料)が含まれている。


一方、低下の一途をたどる紙の発行部数とは裏腹に、電子版へのアクセス数は増加傾向をたどっている。米調査会社ニールセンによれば、2007年には6000万件だったユニークビジター数が、今年は7200万件に跳ね上がる見込みだ。


業績不振から抜け出せない各紙は、大型リストラや配当停止などに追い込まれているが、ニューヨーク・タイムズ紙はこのほど、1250人の編集部門の8%にあたる100人を削減する方針を発表。編集部門でこれほどの削減を決行したのは同社創設以来のこと。


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