アメリカン・メディア
587号    2009年12月25日    編集:テレビ朝日アメリカ・インク

アメリカン・メディア

アメリカン・メディア過去10年のTV番組ベスト10

アメリカン・メディア過去10年のメディア技術革新ベスト10

アメリカン・メディアオンライン番組配信の有料化案

アメリカン・メディア不況でテレビ人気が急上昇


過去10年のTV番組ベスト10

米広告専門誌「アドバタイジング・エイジ」が過去10年を振り返りテレビ番組のベスト10を発表した。同紙が「過去10年間のベスト10番組」の筆頭各に選んだのがFoxネットワークの人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」。同番組がデビューしたのは2002年6月11日。いまや米テレビ界を代表する高視聴率番組になっている。同誌は、選択の理由を、「家族がそろって楽しめる番組ジャンルを確立。番組内に自然な形で商品を登場させる広告方法“プロダクト・プレースメント”を普及させたことで、放送界に新風を巻き起こしたばかりか、同番組の優勝者などが次々にレコード界のスーパースターになるなど、音楽業界にも大きな影響を与えた」と評価している。


その他、脚本家やプロの俳優などを使わないリアリティー番組の元祖となったCBSネットワーク「サバイバー」(番組開始2000年5月31日)、同ネットワークの犯罪捜査番組で数々のスピンオフ番組を生み出した「CSI:科学捜査班(邦題)」(番組開始2000年10月6日)、ABCネットワークのミステリー・ドラマで、「スーパーナチュラル」と呼ばれる新たなジャンルを作り出した「ロスト」(番組開始2004年9月22日)などが選ばれた。


また、ケーブル局からは、タイムワーナー傘下の有料チャンネル「HBO」の代表作で、マフィアのボスと周囲の人々との人間関係を描いた「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア(邦題)」が選ばれた。同番組については、ケーブル局が制作した高品質・重厚な番組の代表作としての地位を獲得、「ネットワーク・テレビ支配の構図を打ち破った」と高い評価を下している。

そのほか、CBSのコメディー番組「Two And Half Men」が、コメディー番組復調のきっかけになった番組として選ばれたほか、ABCの「クイズ$ミリオネア」、若者向けケーブル局MTVの「The Osbournes」、カトゥーン・ネットワークの成人向け番組「Adult Swim(アダルト・スイム)」などがリストに加わった。


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過去10年のメディア技術革新ベスト10

米広告専門誌「アドバタイジング・エイジ」は、過去10年に起きたメディア関連の技術革新で最も重要だったものの筆頭にブロードバンド(高速大容量)通信の普及を挙げている。ブロードバンド普及をめざす非営利団体「Broadband Forum」によれば、1999年末にはわずか1%だった米国内のブロードバンド接続世帯数が2009年の第2四半期には75%にまで拡大。「ブロードバンドなしでは、動画投稿サイトや動画広告などの登場がありえなかった」としている。「ブロードバンドの普及率が10%増加すれば、先進国のGDP(国内総生産)1.2%増に寄与する」との推定も披露している。


また、1999年に登場したグーグルを挙げ、今日250億jに成長した世界の検索市場の牽引車になったとしている。検索連動型の広告については、「広告会社やメディア企業に、広告への新しいアプローチを促した」と評価している。


ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)については、「マーケティング担当者や社会学者ばかりでなく、経済学者にも、生活者の習慣や動向を探る上での貴重なツールを提供した」と評価、「口コミを超える威力をも持っている」とも指摘している。


さらに、HDD内蔵型のデジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)の普及を挙げ、「かつては、テレビのリモコンやビデオ・カセット・レコーダー(VCR)がテレビの存続を脅かす新しいテクノロジーとして捕らえられたが、DVRがこれらを上回る存在になった」「DVRを利用し、好きな番組を好きな時に見る視聴者が急増し、調査会社ニールセンの視聴率測定方法を変えさせるほどのものになった」と、その威力を強調している。


その他、アップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォ)」、簡易ブログ「ツイッター」、ナビゲーション(GPS)、インターネット上の動画やゲームなどを扱う画像フォーマット「Flash(フラッシュ)」などがベスト10入りした。


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オンライン番組配信の有料化案

米国ではインターネット上のテレビ番組配信が人気急上昇中。ほとんどのサービスが無料型だが、有料化に向けた注目すべき動きが出た。米ケーブルテレビ(CATV)事業者、コムキャストが昨年末スタートさせた「Fancast Xfinity TV」がそれ。これまでインターネット配信されたことがないケーブル局番組が見られることが特色だ。ただし、視聴にはコムキャストが提供するビデオ配信サービスとブロードバンド・サービスに加入することが条件となっていて、間接的な有料モデルだ。


インターネットを利用したテレビ番組視聴が定着すればCATVそのものの存在が危うくなる可能性もあり、CATV事業者の間で対応策が検討されていたが、Fancastモデルが一つの回答と位置づけられている。コムキャストなどは、利用者がパソコン上で番組を見る流れは変えられないとの判断から、少なくとも加入者のCATVサービスからの離反を防ぐことを主眼にしたビジネスモデルの開発に当たっていた。他CATV事業者も同様なシステムを導入し追随する模様で、米オンライン配信に新たな変化をもたらすきっかけになる可能性もある。


Fancastサービス利用には、コムキャストのホームページから専用のソフトをダウンロードすることが必要。加入者のみがログイン出来る仕組みになっている。そのため、これまでは誰もが利用できた無料サイト「Hulu(フールー)」などで提供されていなかった、ケーブル局の番組がオンライン視聴できるようになった。


CATV事業者からの配信料が重要な収入源となっているケーブル局はこれまで、CATV各社に配慮するかたちで番組のオンライン配信は行っていなかった。CATVの有料チャンネルに加入している世帯は、HBOなど人気チャンネルの番組視聴も可能となる。


ちなみに、米調査会社ニールセンによれば、09年11月に米国でオンラインビデオ視聴をした人は11.4%増となる1億3800万人を記録した。


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不況でテレビ人気が急上昇

不況に苦しむ米消費者が、手軽な娯楽としてテレビ視聴を選んでいる。米コンサルティング会社大手デロイト社がこのほど発表した調査結果「State of the Media Democracy」09年版によれば、米市民の34%が、家族そろって楽しめる娯楽手段として「テレビ視聴」を第1番目に挙げていることが分かった。08年比26%も増加した。


最も人気のあった「余暇の過ごし方ベスト3」の中で、テレビ視聴を挙げた人は71%にも上った。これに対し「映画鑑賞」を挙げた人は全体の22%に留まった。ただし、映画については、「新作を見るためには映画館に行かなければならない」「3D映画の話題作が豊富」なことから、調査結果とは裏腹に映画人気はむしろ上昇する(デロイト社アナリスト、エド・モラン氏)と見ている。


テレビに続き、インターネット閲覧が2位、これに、音楽鑑賞(3位)、読書(4位)と続いており、デロイト社では、「消費者の財布の紐が固くなっていることに加え、自宅で余暇を過ごす人の数が急増した」と指摘している。「家計簿の中で娯楽費を削減するつもり」と答えた人は全体の72%にも上った。


ところで、09年の一人当たりの週平均テレビ視聴時間は、前年比2時間増となる17.8時間に上昇した。それに加え、媒体別の広告効果を調べたところ、「テレビCMに影響される」と答えた人が全体の83%にも上り、雑誌(50%)をおさえ1位にランクされた。視聴時間増大に加え、テレビ局の経営者にとって不況がもたらした吉報となった。

モラン氏は、「今回の調査で際立ったのはテレビ人気。米国人はいまだに、居間においてあるテレビが大好きだし、テレビ番組にも大いに愛着を感じていることが判明した」と結論付けている。同調査は、14〜75歳、2047人を対象に、09年9月11日〜10月13日にかけて実施された。


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