米テレビ編成でスポーツ番組の存在感が際立っている。米調査会社ニールセン社がこのほど発表した報告書「The Changing Face of Sport Media」によれば、昨年(09年)地上波テレビ局とケーブル局が放送したスポーツ番組は合計43,700時間にも上った。人気も上々で、09年に放送された、スーパーボウルが過去最高となる平均視聴者数9870万人、アイスホッケーのチャンピオン決定戦スタンレー・カップが7年ぶりの視聴者数450万人、大リーグワールドシリーズの平均視聴者数が5年ぶりとなる1910万人を獲得するなど、記録尽くめだ。スポンサーもよく集まり、これらの番組に支出された広告(CM)費は、76億j(約6840億円)を記録した。
さらに同調査によれば、スポーツ番組ファンは、パソコンを駆使し関連データなどを閲覧する視聴者が多いことも判明。毎月平均8100万人もの人が、大リーグ・ヤンキースのAロッド選手の薬物疑惑やゴルフのタイガー・ウッズ選手の不倫騒動など、スポーツ関連情報を求め、インターネットを利用した。ニールセン・スポーツの副社長を務めるスティーブ・マスター氏は、「各スポーツ・リーグは、ホームページやソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)、さらにはスマートフォンなどを駆使して、テレビで放送するスポーツ・イベントへのさらなる参加を誘導しているが、今回の調査で、それらの利用時間が極めて多いことが浮き彫りになった」とコメントしている。パソコンや携帯電話を使ったスポーツ人気サイトには、ヤフー・スポーツ、ESPN、FoxSports.com、CBS Sports、MLB.comなどが挙がっている。
ちなみに、スポーツ番組の広告主ナンバーワンには、ビールメーカー大手「アンハウザー・ブッシュ」がランクされた。同社のテレビ広告支出は、ネットワークテレビ向けが2億2500万j(約203億円)、ケーブル局向けが2058万j(約19億円)。同社に、AT&Tモビリティー、スプリント・ネクステル、フォード・モーター、ベライゾン・コミュニケーションズ、トヨタ・モーター・セールス、ディレクTVなどが続いた。

米アップルは1月27日、サンフランシスコで新型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」を発表した。画面サイズは小型・低価格パソコン「ネットブック」並みの9.7インチ、薄さは約1.27cm、重さは約680g。昨今人気上昇中の電子書籍や動画再生などにも対応することから、電子書籍端末で先行するアマゾンやソニー、さらにはネットブック・メーカーにとって強力なライバルとなる可能性もある。画面が大型なこともあり、新聞・雑誌業界から、本格的な紙面配信ビジネス拡大につながると、熱い視線が注がれている。
同機の発売は3月下旬ということもあって、一般消費者からの反応は出ていないが、アナリストや専門家からは賛否両論の意見が出ている。IT製品専門サイトCNetの上級編集員、ドナルド・ベル氏は、「ノート型パソコンやアイフォンなどスマートフォンを持っていない人々にとってうってつけの新製品ではないか。机に向かっての作業には向かないだろうが、外出先で友人などに家族の写真を見せたり、コーヒーを飲みながらニューヨーク・タイムズ紙を読むなどといった用途に使われることになるだろう」とその機動性に注目している。また、技術系調査会社「Enderle Group」のアナリスト、ロン・エンダーレ氏は、ニューヨーク・ディリーニュース紙に、「ビデオ・ゲームやDVD視聴などが楽しめるため、車中のエンタテイメント機器のあり方を大きく変える可能性を秘めている」などと述べている。
一方、IT調査会社「Nucleus Research」社でアナリストを務めるレベッカ・ウェッテマン氏は、「キンドル(アマゾン社の電子書籍端末)をカラー版、そして使いやすくした高級機に過ぎないのでは」などと冷ややかな感想。米有力調査会社「フォレスター」のアナリスト、チャールズ・ゴルビン氏は、「単にアイポッド・タッチを大きくしたもの」「電子書籍ファンは、引き続き、計重量で手軽なキンドルを選ぶのではないか」と解説している。ニューヨーク・タイムズ紙は、「同製品発表をめぐって大騒ぎになっているが、携帯電話業界の常識を変えたアイフォンに匹敵するほどの成功につながるのだろうか」と疑問符を投げかけている。
同製品の価格は、内蔵メモリーの容量などによって、499j(約4万5000円)〜829j(7万4600円)に設定されている。

ニューヨーク近郊のロングアイランドの有力紙「ニューズデー」電子版の有料サービスが苦戦している。同紙は、09年10月からそれまで無料だった電子版へのアクセスを、一週間5j(450円)、年間260j(約2万3400円)に設定、全米の新聞に先駆けて有料化した。ところが、それ以来3ヶ月が経過した現時点で、加入者はたったの35人。ニューヨーク・オバザーバー紙によれば、この「驚くべき数字」は、1月中旬に開かれた社内会合で、ある記者が上層部に問いただしたことを受けて披露されたもの。同紙によれば、耳を疑った記者が、再度数字を聞き直したという。
同紙では有料化に踏み切った際、新電子版の構築に400万j(約3億9000万円)を投入した模様だが、オブザーバー紙は、新規加入者が35人に留まっていることで、「回収できたお金は9000j(約81万円)に留まっている」と皮肉っている。
米国では、当初から課金制度を導入しているウォールストリート・ジャーナル紙など例外はあるものの、ほとんどの新聞社が電子版は無料で提供している。おりしも米国を代表する有力紙「ニューヨーク・タイムズ」が、広告収入の激減や購読者の減少なによる業績不振の回復を念頭に、電子版を有料化に切り替える発表を行ったばかり。同紙ばかりか、有料化のチャンスをうかがっている他紙の経営判断にも影響を与えそうだ。ちなみに、ニューヨーク・タイムズ紙は、11年初頭の有料化を目指している。
ニューズデーの親会社で、同地域のケーブルテレビ(CATV)サービスを独占するケーブルビジョンの加入者とニューズデーの購読者には、これまで通り、無料でアクセス出来るため、有料化の影響を受ける人の数は限定される模様だ。それでも、米調査会社「ニールセン・メディア・オンライン」によれば、09年12月における同紙電子版のユニークビジター数は、150万件と、同年10月の220万件から大幅な落ち込みを示している。

