アメリカン・メディア
594号    2010年02月19日    編集:テレビ朝日アメリカ・インク

アメリカン・メディア

アメリカン・メディアバンクーバ五輪視聴率、好調な滑り出し

アメリカン・メディア米ディズニー社、10〜12月期純利益は横ばい

アメリカン・メディア米広告主がテレビCM効果に逡巡

アメリカン・メディア米人気スポーツ局が有料サイト拡充に意欲


バンクーバ五輪視聴率、好調な滑り出し

  第21回冬季五輪バンクーバー大会が12日開幕した。米国では独占放映権をもつNBCユニバーサル(NBCU)が傘下のネットワークテレビやケーブル局を総動員して開幕式や競技の模様を伝えているが、開会式の視聴者数がこれまでの最高を記録するなど、好調な滑り出しとなった。NBCネットワークが米東部時間午後7〜11時(プライムタイム)に放送した開会式の平均視聴者数は3260万人と、前回(2006年)、イタリアで開催されたトリノ大会の2290万人を超え、米国外における冬季五輪では最高記録となった。米調査会社ニールセンの速報によれば、開会式の模様を少なくとも6分間見た人の数は6750万人にも上った。


初日以降も好調で、大会3日間の平均視聴者数は、トリノ大会のものを25%も上回る2860万人を獲得した。開会式1週間前に発表された世論調査(Rasmussen Reports)では、「五輪競技のほとんどをテレビで見るつもり」と答えた人は、全体のわずか20%にとどまっていたが、そんな悲観的な予報を一気に吹き飛ばすものとなったばかりか、プライムタイム編成の不振が続くNBCネットワークにとって久方ぶりの吉報となった。


2月7日に開催されたスーパーボウルが米テレビ史上最高の視聴者数を獲得したばかりだが、業界誌アドバタイジング・ウィークは、「米東部ばかりか、南部をも襲っている厳しい寒さのために、外出を控え、家でテレビを見る人が多い。それに、バンクーバで開催されたことで、外国とはいえ時差が大きな問題にならない利点がある」などと、高視聴率の背景を分析している。


ところで、NBCUでは五輪の模様をインターネット上でも伝えているが、公式サイト「NBCOlympics.com」は、3日間の平均ユニーク・ユーザー数は420万件と、こちらもトリノ大会時の102万件を大きく上回った。


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米ディズニー社、10〜12月期純利益は横ばい

米5大メディア企業が09年10〜12月期の決算を次々と発表している(先週号既報)。ウォルト・ディズニーが2月9日発表した同期の売上高は、前年同期比1%増となる約97億4000万円。純利益は横ばいの8億4400万jだったものの、相変わらず好調なケーブル局の健闘と、会社一律のコスト削減策が功を奏して、市場予想を上回るものとなった。ネットワークテレビやケーブル局からなる放送部門、さらには映画部門などの事業が増益となった半面、テーマパークなどが横ばい、ビデオゲームなどの事業は赤字だった。


先に発表があったタイム・ワーナー、ニューズ・コーポレーションに並び、5大メディア企業のうち3社がそろって市場予測を上回る業績となったが、いずれもケーブル局の好調さが企業全体に寄与していることが特筆される。

  
好調だった放送部門を見ると、売上高は、前年同期比7%増となる42億jを記録。米メディア投資銀行「Piper Jaffray」アナリスト、ジェイムズ・マーシュ氏は、「放送部門の回復振りに注目したい。広告(CM)売上の増収が大きく貢献している」と解説している。放送部門の内訳を見ると、スポーツ専門局ESPNの送信料評価が増額したことやディズニー・チャンネルの契約世帯数が海外で増加したことなどから、前年同期比8%増となる26億5000万jを獲得、グループ全体に大きく貢献した。営業利益は、同5%増となる5億4400万jを記録した。ネットワークテレビ部門は、国際市場における番組ライセンス料の増収なども手伝い、前年同期比5%増、15億2000万jとなった。


テーマパーク・リゾート部門は不況で客足が減ったことなどが影響し、売上高はほぼ横ばいとなる27億j。映画部門は、「Up」が大健闘したほか、映画「あなたは私の婿になる」(The Proposal)のDVD版の販売が好調だったこと、さらには部門全体のコスト削減策が貢献した。売上高はほぼ横ばいの18億jに留まったものの、営業利益は前年同期比一挙に40%増となる2億4300万jを記録した。


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米広告主がテレビCM効果に懐疑的

米国でテレビCMの効果に疑問符を投げかける広告主が増大している。全米広告主協会(ANA)と米調査会社フォレスターはこのほど、大手広告主104社(広告支出額合計140億j)を対象に共同調査を実施したが、「過去2年間にテレビCMの影響力に陰りが見えてきた」と考える広告主が全体の62%に上った。また、同調査によると、「CM枠に挿入されるCMの数が多すぎる」と考える広告主は69%にも上った。これらの理由から、2009年度にテレビCMに充てられた広告費は全体の49%と、08年の58%を大きく下回っていたことも判明した。


同調査によれば、今年のテレビCMに割り当てられる広告費は41%に留まる一方で、77%の広告主がテレビ向けの広告費を、「ソーシャル・メデアィ」に振り替えるつもりだと答えていることも明らかになった。73%がインターネット広告に投入すると答えたほか、59%が検索エンジン・サイトに、46%が電子メール市場に振り分けると答えたのに対し、新聞・ラジオ・雑誌や屋外広告などの既存メディアに割り当てると答えた広告主は15%に留まった。


また、広告主の大半が、現行の視聴率測定から挙がってくるCM視聴状況データに不満足の意を表しており、82%が、「独立したCM視聴率が必要」と考えていることも分かった。
さらに、「特定のターゲットに絞ったCMが必要だ」とする広告主は78%に上った。


ANAの会長兼最高経営責任者(CEO)、ボブ・ライオダイス氏は報告書の中で、「メディアには大きな地殻変動が生じており代表格のテレビにも例外ではない」と述べ、「現在の広告方法や視聴率測定方法は、こうした状況を踏まえ、より詳細で、より特定された、しかもより効果のあるものに変わる必要がある」と指摘している。ちなみに、30秒CM が引き続き主流となる考え方が支配的だが、番組内に自然な形で商品やサービスなどを登場される「プロダクト・プレースメント」など、いわゆる「ブランド・エンターテイメント」への関心も高くなっていて、広告主の38%が、こうした広告方法を採用する予定だとしている。


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米人気スポーツ局が有料サイト拡充に意欲

米人気スポーツ局ESPNが、傘下の有料動画配信サイト「ESPN360.com」のてこ入れを始めた。同サイトは、アメフトなど人気スポーツの試合を生配信したり、様々なスポーツ・イベントの動画配信をしている。通信会社大手ベライゾンなどのブロードバンド・サービスに加入している世帯に限って視聴できるサイトで、間接的な有料サイト。テレビ番組の無料配信が主流の米国で、希少な有料サイトだ。加入数に基づいて、ベライゾンなどプロバイダー側がESPNに一定の料金を払う仕組みで、ケーブルテレビ(CATV)会社とケーブル局の関係をモデルにしている。


現在、同サイトへのアクセス可能世帯数は5000万軒。加入世帯数は徐々に広がりを見せているという。昨年9月に配信した大学フットボール試合「南カリフォルニア大学(USC)対オハイオ州立大学」の模様は、91,000人が視聴したという。しかし、ケーブル局ESPNの視聴者数には、遠く及ばない数で、ESPNではさらなる視聴者獲得のために、テレビ番組配給会社やインターネット・プロバイダーなどとの話し合いを始めた模様だ。


ESPNの営業・マーケティング担当責任者、ショーン・ブラチズ氏は、ウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、「ESPN360の人気が上がればESPNの将来に大きく寄与することになる。ESPNがテレビで、ESPN360がインターネット・サイトなどと差別化することはせず、双方(同等な)ネットワークとして扱っていく」と豊富を語っている。


CATV事業者の中には、ESPN360がさらなる普及を遂げれば、事業の中核を占めている番組送信サービスが侵食される恐れがあると危惧する向きも少なくないが、ブラチズ氏は、ESPNにとってCATVから得る送信料が重要な収入源になっていることを強調。「ESPN360は付加的サービスと位置けている」としている。


同サイトは4月に「ESPN3.com」と名前を変更、大リーグ伝統のニューヨーク・ヤンキース対ボストン・レッドソックスの開幕試合を生中継配信する予定だ。


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