13年CES、目玉商品は4Kテレビ 

世界最大の家電見本市、国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が18日から4日間にわたり米ネバダ州ラスベガスで開催された。今年の目玉商品はなんといっても4Kテレビ。ウルトラHDTVとも呼ばれ、現モデルの4倍の解像度を持つ超高精細画面を備えたテレビだ。今回は586584インチのモデルが所狭しと勢ぞろいした。


会場は日本のソニーやパナソニックさらにはシャープなどに対抗し韓国のサムスンや中国のメーカーTCLがそろって4Kテレビの新製品をアピール、日韓メーカーに中国が加わったアジア勢が競い合っていた。なかでも際立った存在感を見せたのがサムスン。110インチの特大モデルの前は他社を圧倒する人だかりで賑わっていたのが印象的だった。来場者の一人は、「(いろいろ見て廻ったが)やっぱりサムスンがナンバーワンだ」と感想をもらしていた。

 

しかし、日本製品も負けていない。4K をさらに上回る解像度を持つ8Kテレビのプロトタイプを紹介したシャープのブースを訪れた、電気製品の品質査定サービス会社に努めるという男性は、「本当に目を見張るほど綺麗だ。こんな革新的なことをやってのけるなんて、感心するよ」と強烈な印象を受けた様子。

 

ところで、米国内ではいまのところ4K テレビに悲観的な声が多い。コンテンツ(番組他)不足を理由に早期普及に首をかしげる向きが多く、専門家の中からは、華々しくデビューしながブレークできずにいる3Dテレビの二の舞になるのではなどと否定的な声が挙がっている。


ディスプレー製品の市場調査などにあたるコンサルティング会社ディスプレイ・マット・テクノロジー社長レイモンド・ソネイラ氏は、「視力が正常の人でも4K画面の特色が確認できるのに、少なくとも80インチは必要。画面から2メートルは離れてみないと4Kの美しさは確認できない」と指摘し、一般家庭に受け入れられるかどうか疑問視している。


これに対し、「HD(高精細度)TVが誕生したときも、同じように懐疑的な声が挙がったが、画面の素晴らしさとDVD視聴に向いているということで普及した」(CEA:全米家電協会ゲーリー・シャピロ会長)と肯定的に捉える向きもある。

 

価格については東芝の幹部がCES開幕前夜の会見で、「1インチ1万円を以下を目指している」と明言、消費者が手ごろと感じる価格のモデルが誕生するのも時間の問題かもしれない。

<テレビ朝日NY特派員 外山薫(写真も)>