テレビ視聴、相変わらず健在


米調査会社ニールセンはこのほど、米国におけるテレビ、インターネット、携帯電話(3スクリーン)を利用した動画視聴状況を発表した。同調査によると、今年5月、米市民が費やしたテレビ視聴時間は平均127時間と、昨年同月比6時間増していることが分かった。米国ではインターネット利用の広がりなどでテレビ離れが言われる今日だが、ニールセンのマーケティング担当責任者のジョン・バーバンク氏は発表の際に、「商業テレビ放送がまだまだ健在なことが明らかになった」と強調した。同月のテレビ視聴者数は2億8,200万人超だった。

一方、インターネットの利用時間は、26時間(同月)と昨年同月比2時間増。利用者数は1億6,200万人に迫った。また同月にオンラインン・ビデオを視聴した人はインターネット利用者の三分の二に上ったことも明らかになった。インターネットを使った動画視聴者が急増していることを受け、バーバンク氏は、「もはやオンライン・ビデオ視聴が“目新しいもの”から“必需品”になった証拠だ」と述べ、この傾向を特筆している。

また、携帯電話を利用した動画視聴者数も上昇カーブを描いているようだ。同社によると、現在、携帯電話保持者は2億1,700万人。このうち、テレビ番組などが見られる動画サービスに加入している利用者は440万人だった。全体から見ると利用者はごく少数だが、同社では加入者の利用時間に注目している。動画サービスに加入している携帯電話保有者の5月における動画視聴時間は平均3時間15分と、「利用時間が想像以上に長かった」(同社関係者)。ニールセンが「3スクリーン」視聴状況を比較調査したのは今回が初めて。同社では今後も引き続き追跡調査を行っていく予定。