ネットワーク好調、CATV局不振の新シーズン期首


米テレビ業界は9月後半から新シーズンに突入しているが、ケーブル局不調を尻目に、ネットワークの健闘ぶりが目立っている。メディア・サイト「メディア・ライフ」が米広告代理店や番組編成関係者を対象にアンケートをとったところ、ネットワーク各社がスタートさせた新番組22作のうち、ヒット番組になると太鼓判をおされた番組が全体三分の一超となる8作にも上り、例年になく豊作の年となりそうだ。


同社の調べでは、CBSネットワークの人気犯罪捜査番組「NCIS:ネイビー犯罪捜査班(邦題)」のスピンオフ番組「NCIS:ロサンゼルス編」、Foxの若者向けミュージカル・コメディー「グリー」、ABCのサイファイ捜査番組「Flash Forward」などが高い評価を受けている。


ネットワーク全体の評価を見てみると、CBSが「すぐれた番組を編成した最も安定したネットワーク」との高い評価を受けた。FoxやABCがこれに続いているが、深夜のトーク番組をプライムタイムに編成し、画期的な編成を打ち出したNBCに対しては、61%が「編成の見直しを強いられることになるだろう」と辛口の評価を下している。


一方、ケーブル局全体を見ると、広告主がターゲットにしている18-34歳層の9月21日~10月11日における平均視聴者数が昨年同期比5.2%減となる1534万人、18-49歳層が4.7%減1695万人、25-54歳層が4.6%減となる1808万人と、いずれも5%前後の減少を示し、2003年以来最悪の記録(広告会社大手グループM)となっている。


ケーブル局の中でも視聴者数減少が目立ったのが、Foxニュース・チャンネルやCNNなどニュース専門局。18-49歳層で61%減、ニュース局がターゲットにしている25-54歳層では54%と激減しているのが特筆される。