米ABCリアリティー番組が高視聴率で終了


 米テレビシーズン前半で最も注目を集めた番組といえばABCネットワークのリア リティー番組「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」だろう。同番組の第11回シリーズが11月23日、最終回を迎えたが、ニールセン社の速報によると、平 均視聴者数2410万人を獲得、広告主が重要視する18~49歳層の視聴率も前年度比23%増となる5.3%(シェア15%)を記録した。最終回は通常の 倍となる2時間(午後9-11時)に拡大された特別枠で放送されたが、視聴者数は、午後10:30時にピークに達し、2640万人に達したという。


6シーズンぶりの視聴率となった最終回の人気は、2008年大統領選挙で共和党の副大統領候補になり、次期大統領戦出馬も取り沙汰されるサラ・ペイリン元 アラスカ知事の娘、ブリストル・ペイリンさんの登場に負うところが大きかった。「太りすぎ。踊りも上手くないのになぜ勝ち残るのか」などとする視聴者から の苦情が寄せられる中で、毎週勝ち残りを続けると、母親を支持する保守派市民運動「ティー・パーティー」の組織票がブリストルさんを支えているとするウワ サが一挙に噴出した。そのため、3組に絞られた最終候補に残ったブリストルさんが優勝を争うことになった最終回には、「もしかすると優勝するかも」「まさ か優勝するはずはない」などと、関心は一挙にピークに達した。ニュース専門局なども一斉にその成り行きを取り上げるなど、ちょっとした社会現象になった。


結局、コンテストは、女優、ジェニファー・グレイさんペアーが優勝。ブリストルさんペアーは、3位に終わったが、放送後も、「政治的駆け引きや足の引っ張り合い、さらには同情や勇気などの要素が入り混じったドラマが展開した」などと番組人気の分析が続いた。

   
同番組は、英BBCで放送された番組のフォーマットを取り入れたもので、俳優やスポーツ選手などのスターたちがプロのダンサーとペアーを組みトレーニング を経て様々なダンスに挑戦。審査員の採点と視聴者の電話投票などを勝ち抜いたカップルがチャンピオンになるというもの。シリーズ第1回目は05年に始まっ たが、人気は回を重ねるごとにうなぎのぼり。今や米テレビ界のナンバーワン番組になっているFoxネットワークのオーディション番組「アメリカン・アイド ル」に迫る勢いだ。ABCはシーズン中2シリーズ放送している。