元ディズニー経営者がネットに進出

米メディア・娯楽企業大手ウォルト・ディズニーの元最高経営責任者だったマイケル・アイズナー氏がインターネット事業に乗り出すことになり話題を呼んでいる。

ディズニーで映画会社やテレビネットワーク経営の最高峰に就いていたアイズナー氏が手がけるのはオンライン・ビデオ会社「ブグル」。同社のコンテンツの特色は大衆雑誌風に脚本が描かれること。番組の制作・配信とともに、他社の番組の買い付けにも当たる。アイズナー氏は発表に際して、「これからの時代に映像配信の普遍的なプラットフォームになるのは、ブロードバンドだ」とネット配信ビジネス進出への意気込みを語っている。

4月2日からスターとする第1作目は、「プロム・クイーン」。2ヵ月後に迫った高校卒業記念ダンスパーティー「プロム」をめぐって繰り広げられる生徒たちのラブストーリーがサスペンス風に描かれる。1話90秒のエピソードが80日間に渡って連日動画放送されるユニークな手法。アイズナー氏は、「完成度の高い、そして視聴者が感情移入しやすいコンテンツ(番組)が覇者になる」と延べ、プロム・クイーンの内容に自信を示している。

番組は、ブグル社のサイトVuguru.comをはじめ、人気動画共用サイト「ユーチューブ」や「ビオ(Veoh)」など様々な動画サイトでマルチ公開される。映像もDVD並みの高画質にこだわり、携帯電話やアイポッドなど、携帯ビデオプレイヤー用の配信も視野に入れている。

視聴は無料だが、番組前後にCMが挿入されるほか、番組内に商品が登場する“プロダクト・プレースメント”が多用される模様。すでに、飲料水メーカー「フィジー・ウォーター」やオンライン生花チェーン店「テレフロラ」など大手企業がスポンサーに名乗りを上げているという。ただ、本格的なドラマのオンライン配信には懐疑的な広告主も多く、プロム・クイーンの成り行きに注目が集まりそうだ。