新聞を読むヤングはわずか16%


ニュースに関心を払わない若者が米国で急増している。そんな状況がこのほど米ハーバード大学が発表した調査結果で浮き彫りになった。同調査を担当したトーマス・パターソン教授によると、毎日ニュースに関心を払うと答えたティーンエイジャーや30代前のヤングアダルトの数が高齢者に比べ圧倒的に少なくなっているという。

近年、米家庭内では、親がニュース番組を見ていても、子供たちは自分の部屋や他の部屋で別の番組を視聴するケースが増え、ニュースを見る習慣が身につかないのが大きな理由のようだ。

また、「ニュースを見ている」と答えた若者も、ビデオゲームなどを楽しみながらバックグラウンドでニュースを聞いたり見たりする”ながら族“が多く、同調査は、「ニュースとのかかわり方が極めて希薄になっていることが浮き彫りになった」とヤングアダルトのニュース視聴習慣を憂慮している。 ところで、若者によるニュースとのかかわり方で「絶望的」(同調査)なのが新聞を読む習慣の変化だ。

18~30歳の若者で、毎日新聞を読むと答えた人はわずか16%。ティーンエイジャーでは9%に留まった。一方、30歳以上の成人では35%の人が毎日新聞を読むと答えている。 パターソン教授は、「伝統的な新聞はもはや若者の心を掴むことはないだろう。米国は『読む国民』から『見る国民』に変貌してしまったようだ。好むと好まざるとにかかわらず、ニュースの将来は電子メディアに集約されることは避けられない状況だが、具体的にどのような形の電子メディアになるのかはまだ不透明だ」と述べている。