玩具メーカーがCATV局立ち上げへ


米大手玩具メーカー「ハズボロ社」とケーブルテレビ局老舗「ディスカバリー・コミュニケーションズ」はこのほど、2010年を目標に新ケーブル局を創設すると発表した。新チャンネルは、ディスカバリーの既存子供向けチャンネル「ディスカバリー・キッズ」が新装され再スタートする。ディスカバリー・キッズの視聴可能世帯数は6000万だが、視聴率の低迷に悩んでいた。
番組編成には、ハズボロ社の人気玩具で同社を代表するブランド名にもなっている「トンカ」や「マイ・リトル・ポニー」などを取り入れた番組が多数採用される予定だ。ハズボロは3億㌦(約300億円)(50%)を出資し、新チャンネルの共同出資者になるが、チャンネルの運営はディスカバリーが担当する。ハズボロはさらに、キャラクター商品のロイヤルティーとして、2009-2013年間にわたり1億2500万㌦(約125億円)を支払うことで合意したという。


米国では伝統的な玩具需要が、テレビや映画、さらにはビデオゲーム人気の影でが減少。ハズボロ社はエンターテイメント業界に進出する機会をうかがっていた。同社は今夏、映画「トランスフォーマー:リベンジ」(写真)や「G.I. ジョー」の公開を予定、テレビへの進出は「必然的な次の一歩だった」(ハズボロ社最高経営責任者、ブライアン・ゴールドナー氏)。

同チャンネルの立ち上げには、「広告主でもあるメーカーがテレビ放送の編成に直接関与する、最も野心的な試みだ」(ウォールストリート・ジャーナル紙)などと、大きな関心が寄せられている。その一方で、米消費者団体などからは、「チャンネルそのものがハズボロ社のPRチャンネルになりかねない」などと、懸念の声があがっている。