米ネット広告売上が新記録

米国における2006年ネット広告の売上が新記録を塗り替えたことがこのほど明らかになった。IAB(インターネット広告協会)とコンサルティング会社大手「プライスウォータークーパーズ」による共同調査結果によると、昨年の収益は前年比35%増となる169億㌦(約2兆280億円)とこれまでの最高。IABによると大幅増益には、キーワード検索連動型の広告やディスプレイ型の広告のほか、求人広告などが貢献したが、米広告主が商品のブランド名周知のためのキャンペーンにインターネットを積極的に活用したことも大きな要因になった。

IABの社長兼最高経営責任者ランドル・ローゼンバーグ氏は、「新商品の紹介や購買意欲促進に、双方向性を持った広告の有効性が一段と認知され始めている。インターネットがそのような広告を提供できる最適なプラットフォームであることを知った広告主が広告予算をネット広告にシフトしているのが現状だ。この傾向が益々高まることを確信している」と語った。

ところで、ブロードバンドの普及で、バナー広告やディスプレイ広告など従来型のネット広告に加え、テレビCMのような動画広告が急速に普及している。しかし、2006年の動画広告費は12億㌦と、前年度10億㌦から微増に留まり、業界内の予想をはるかに下回った模様だ。

ただ、IABの上級副社長シェリル・ドレイゾン氏は、「業界内でオンライン・ビデオに大きな関心が集まっていることは間違いない。まだブレイクの状態にまで至っていないだけだ」と述べ、動画広告普及に楽観的な見方を示している。

一方、オンライン広告専門サイト「eMarketer」の最新の報告によると、新製品を知る上で有効な媒体として、37%の人がテレビCMと答え、インターネットの15%を大きく引き離している。