米消費者にビデオ視聴が拡大傾向


米市民のビデオ視聴時間が拡大傾向をたどっている。米調査会社ニールセンが四半期ごとに発表する調査「Three Screen Report」の09年10-12月期分によれば、米消費者の間で①ビデオ視聴のためにニューメディアに乗り換えた人は少なく、既存メディアに新しいプラットフォームを加え、平行利用する人が増えている②一人当たりのテレビ視聴時間は、前年同期比1%増となる週当たり35時間③HDD内臓型のデジタル録画機(DVR)などを利用したタイムシフト視聴時間は同25%増となる2時間④インターネット上の番組視聴時間は、同16%増となる4時間、などといずれも利用時間が増えていることがわかった。ニールセンでは、「アメリカ人はこれまでになく多くの時間をビデオ視聴に費やしている」と結論付けている。


ニールセンによれば、テレビ番組の視聴環境が、DVRやオンライン・ビデオなどの普及のおかげで、一段と便利になったことがビデオ視聴時間の拡大につながっている。また、HD(高精細度)番組が増えたことも、人々にビデオ視聴を促す一因になっている模様だ。ちなみに、DVRの普及率は35%。利用者の多くが25-34歳と若者層に集中している。さらに、インターネット上の番組視聴の44%が勤務先のオフィスで行われていることも判明した。


また、テレビを見ながらインターネットを閲覧したことが少なくとも1度(月間)はあると答えた人が全体の59%にも達していることが明らかになり、テレビ視聴に双方向性を求める人の数が急増していることを指摘している。ちなみに、テレビとインターネットの同時利用時間は、月間3.5時間に達した。


なお、携帯電話などを利用した一人当たりの番組視聴(モバイル視聴)時間は、週当たり4分と前年同期比ほぼ横ばいだったが、利用者数は、同57%増となる1760万人に増えた。