米4大ネットワークがエミー賞と新契約


米国の優れたテレビ番組や俳優などに与えられるエミー賞の授賞式は毎年地上波テレビネットワークが全国向けに中継する人気イベントだ。そのエミー賞を主催する米国テレビ芸術科学アカデミー(The Academy of Television Arts & Sciences)はこのほど、米4大ネットワーク(ABCCBSFoxNBC)との間に8年間総額6600万㌦の新放送契約を締結した。AP通信などが一斉に報じた。


新契約は今年から適用され、毎年担当ネットワークが最低825万㌦の放送権料を払って放送することになる。過去4年間の権料が1回あたり750万㌦(AP通信)だったことを考えれば、値上がり幅は最小に収まったといえそうだ。 

 

今年のエミー賞は第63回目。9月に開催され、Foxネットワークが放送を担当、以下4大ネットワークが毎年交代で式の模様を中継する。アカデミーのジョン・シャフナー会長は新契約合意にあたって、「引き続き地上波ネットワークテレビのパートナーと米テレビ界最高の栄誉である式典をコラボレーションして行くことが出来ることになり、興奮している」と語っている。今年は、「サバイバー」や「ザ・ヴォイス」など数々のリアリティー番組を手がけた大物プロデューサー、マーク・バネット氏が総合プロデースに当たることになっており、アカデミーとしては新契約を契機に人気挽回を図りたいところだ。

 

エミー賞人気の推移を見ると、2008年に平均視聴者数1230万人と過去最低を記録。09年には100万人増の1330万とカムバックぶりをアピールしたが、昨年は1347万人と微増にとどまり、先行き不安感が漂っている。

 

近年のエミー賞では、ドラマ部門の最優秀賞に、視聴率では劣るケーブル局の番組が選ばれる傾向が続いて、地上波ネットワークテレビ関係者の間に不満が高まっていることが取り沙汰されている。そんな雰囲気を反映するかちで、アカデミーに対抗するニューヨークの組織「ペイリー・メディア・センター」が新たな表彰式を立ち上げる動きも表面化している。 <テレビ朝日アメリカ 北清>