3-6月、Streaming視聴時間は85%増

 

 Nielsenによると、米国の3月30日から6月7日までの10週で、Streamingの視聴時間が前年比(以下同)85%増となった。

 大都市圏で新型ウイルスの感染者が増えた3月末から4月始めは131%という大きな伸びを示したが、6月最初の週でも50%増となっている。

 有料無料を問わず、メジャーなプラットフォームはすべて増加していて、Netflixは76%増、YouTube 96%増、Hulu 68%増、Amazon 106%増、その他(Disney+、CBS All Access等)は94%の伸びだ。

 シェアはNetflix 33%、YouTube 19%、Hulu 11%、Amazon 8%、その他 28%とNetflixが圧倒的な強さを示している。

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中国を徹底的に標的にする――バノンの選挙戦略

 

 トランプ大統領を2016年の選挙で勝利に導いた立役者スティーブ・バノンは、首席戦略官というハワイトハウスの要職を離れた後も、2020年の選挙へ向けてトランプ再選のためのグランド・デザインを描き続けている。「トランプ政権への影響力はもはやない」と言う人もいるが、バノンはトランプ側近という立場を超えて、米国の危機の在り処を突き付け、その克服のために政治権力を使おうとしている。バノンの世界観は、2014年夏のバチカンでの会議にOnlineで送った講演に明確に表れていて、いまに至るまで一貫しているが、みずからを「右のレーニン主義者」と規定するこの戦略家は冷徹で、権力の奪取と維持のためには手段を選ばない。(バチカン演説は以下

https://www.buzzfeednews.com/article/lesterfeder/this-is-how-steve-bannon-sees-the-entire-world

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TikTokをめぐる米中データ戦争

 

 ポンペイオ米国務長官は、7月6日夜のFox Newsの番組で、TikTokなど、中国企業が米国で展開するソーシャルメディアのアプリの使用禁止を検討していることを明らかにした。国務長官によれば、アプリの利用によって、個人データが中国共産党によって収集される恐れがあるため、としている。

 かつての冷戦は米ソ間の核兵器開発をめぐる重厚長大な軍需産業による戦いだったが、現在、米中間で激しく繰り広げられているのは、データをめぐる冷戦だ。ポンペイオ長官の発言によって、Huawei製品のボイコットと同様、女の子の楽しいダンスや笑えるシーン満載の短尺動画プラットフォームTikTokが、米中のデータ冷戦の真っただ中に置かれていることを示した。

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トランプ大統領、Foxの選挙報道に即レスで苦言

 

  ホワイトハウスの大統領執務室に置かれているテレビ・モニターの数は4台とも6台ともそれ以上とも言われているが、トランプ大統領のTV報道への反応の速さにはいつも驚く。

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WarnerMedia、アトランタのCNNセンター売却へ

 

 CNNの親会社WarnerMediaがジョージア州アトランタにあるCNNの拠点、CNNセンターを売却する計画を明らかにした。WarnerMediaのデスロチェスCFOによれば、今後は同じくアトランタにあるTechwoodをWarnerMediaの拠点として一本化する予定だ。もともとCNNが1980年に創設されたときはTechwood Driveのカントリークラブだった場所からスタートしていて、その意味では「スタート地点に帰るのだ」と言う。

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トランプ大統領、Social Mediaから次々に締め出される

 

 ヒラリー・クリントン候補への誹謗中傷を繰り返してFacebookに投稿し、TV広告に頼ることなく、もっぱらゲリラ的にSocial Mediaでの言論活動を展開するトランプ陣営のメディア戦略は、まったく新しい選挙キャンペーンで新鮮だった。

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Facebook、極右Boogalooのアカウントを削除

 

  Facebookへの大手スポンサーの広告出稿中止が話題になっているが、もともとは虚偽情報の掲載や暴力を賞賛するコメントの削除を長年にわたって要請されながら、ザッカーバーグCEOが「Facebookは意見をもったメディアではなく、場貸しのプラットフォームにすぎない」と主張し続けてきたことに原因はある。ところが、さすがに社員のストライキや広告の引き上げがこたえたのか、あるいはBlack Lives Matter運動の風潮に合わせただけなのか、そのFacebookも多少方針を変えたようだ。

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5月TV広告収入はマイナス23%

 

 Standard Media Indexによれば、5月のネットワークTVの広告収入は前年比マイナス23%の7億1640万ドル(約787億円)であることがわかった。ことにスポーツ番組の落ち込みは大きく、前年比66%減となった。スポーツを除くと、減収幅はマイナス15%となる。

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Netflixが「これだけは手離したくないTVランキング」トップに

 

  米国ではいわゆる地上波TVも動画プラットフォームも、一般的には「TV」と呼ぶが、Solution Research Groupが毎年調査する第13回“Must Keep TV”(これだけは手離したくないTVランキング)で、Netflixが常連のABCを抑えて、初めてトップに立った。

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トランプ選挙アプリ”Trump 2020 app”はプライバシーを危険にさらす?!

 

 トランプ大統領の携帯用選挙アプリ”Trump 2020 App”はゲーム感覚で楽しめる選挙アプリだ。トランプ大統領のツイートをシェアすると1ポイント、キャンペーンアプリを友達とシェアすると100ポイントがもらえて、5000ポイントたまるとキャンペーンストアで”MakeAmericaGreatAgain”の帽子などのトランプグッズがディスカウントで買える。そして10万ポイント貯めると、トランプ大統領と一緒に写真撮影ができる特典がついている。

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Instagramが抗議行動の起点に

 

 Instagramと言えば、「インスタ映え」という言葉が示すように、フードやファッションや観光地やオシャレな背景の写真・動画など、政治や経済などの「現実」とは無関係なセルフィッシュな世界のソーシャル・メディアの代表だと思っていたが、5月に黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を圧迫されて死亡し、それに対する抗議行動が全米で広がってから、Instagramは大きく変わった。

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共和党”反Trump”派――リンカーン・プロジェクト

 

 前回2016年の大統領選挙では、トランプ候補の粗暴なポピュリズムとモラルのなさに、共和党内部からも“Never Trump”(トランプだけは御免だ)という動きがあった。議員のなかにも党の重鎮にも”Never Trump”がいた。しかし、就任から3年が経ち、強引な手法ながら手堅い岩盤支持層をつかむと、共和党議員たちは雪崩を打ったようにトランプ支持になびき、弾劾裁判でも中国との貿易戦争でもトランプ大統領を支えた。

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民主党バイデン候補、TVキャンペーンを本格始動

 

 民主党の大統領候補指名が確実になったとはいえ、新型コロナウイルスで露出が減り、影が薄かったジョー・バイデン候補が、ようやく本格的なTV広告の展開に乗り出した。

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トランプ選挙チーム、ナチスのマークをAntifaに適用

 

 トランプ大統領の常識外れの選挙キャンペーンには慣れたつもりだったが、6月18日のWashington Postを見てまたひとつ驚いた。「トランプ選挙チーム、ナチスが政治囚に用いたマークをキャンペーンに使用」という見出しで、赤い逆三角形のマークが出ていた。そしてその上には選挙を仕切るMake America Great Again Committeeの名で、「極左の危険なならず者の群衆がわたしたちの通りを駆け抜け、とんでもない混乱を引き起こしています。彼らは街を破壊し略奪しています。狂気の沙汰です」とメッセージがかかれている。

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トランプ大統領のプロパガンダTV局――One America News Network

 

 米国にはTVメディアの公平性、中立性はない。ことごとく党派性によって分断されている。

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子供をネット被害から守るニュージーランド政府の本気の試み

 

(今回はニュージーランドの話です)

デジタル・ネイティブの子供たちをインターネットの脅威からどのように守るかは、世界共通の課題だ。親の世代よりも楽々と、空気のように携帯やPCを使いこなす一方、若者たちを狙った犯罪やフェイクや情報過多の弊害も多い。ことにStay-at-homeが続く現状では、ネットでのいじめやなりすましチャットなど、例年以上に子供たちが危険にさらされている。

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米国のSmartTV、全世帯の8割に普及

 

 ストリーミングやゲームに接続できるSmartTV、スタンドアロン型デバイス(Roku、Amazon Fire TV stick、Chromecastなど)の普及が全米の世帯の80%に及んだことがLeichtman Research Groupの調査でわかった。

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今度はSnapchatがトランプ大統領の投稿を拒否

 

デモ隊に対する軍の投入を示唆するトランプ大統領のツイート、「略奪が始まる時、銃撃も始まる」に対して、Twitter社が「この投稿は暴力を賞賛しており、規則に違反している」との警告ラベルを貼り付けたのは、1週間ほど前のことだったが、今度は若者に人気の投稿サイトSnapchatが6月3日に、「Snapchatは今後、トランプ大統領のキャンペーン動画を投稿としては残すものの、ニュースやストーリーへの転載、拡散をやめる」と発表した。

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「Antifa」のTwitterアカウントは偽造――テロリストは誰か?

 

 白人警官の暴力によって黒人男性ジョージ・フロイドさんが死亡した事件を受けて全米で抗議活動が広がり、一部で略奪や暴行が発生したことを受けて、トランプ大統領は5月31日、「Antifa」を国内のテロリスト集団に指定した。

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Microsoft、ニュース編集にAI導入、ニュースデスクはクビに

 

  Microsoft社は、MSNのウェブサイトやEdgeのブラウザーに掲載するニュースホームページの編集をAIに置き換えることに決めた。これによって、ニュース編集を担当していた27人が契約を打ち切られた。

 

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トランプ大統領 vs Twitter――メディアかプラットフォームか

 

  事の起こりは、5月26日、いま議論されている郵送での投票方法について、トランプ大統領が「郵便投票が不正なものにならないとは(絶対に!)言えない。郵便受けが盗まれ、投票用紙は偽造され、違法に印刷され、不正にサインされるだろう」とツイートし、これに対して、運営するTwitter社が”Get the facts about mail-in ballots”(郵便投票について事実を確認するように)という警告ラベルを貼り、この発言が根拠不明だと正面から処理したことだった。

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「Voice of Americaを宣伝メディアに」――トランプ政権の戦略

 

 「パンデミックの中、ボイスオブアメリカ(VOA)はあなたのおカネを外国の宣伝活動に使っている」――そう題するプレスリリースが突然、4月11日のハワイトハウスのウェブサイトに載った。VOAは、真珠湾攻撃を受けて米国が第二次大戦に参戦した直後の1942年2月に米議会が出資して創設されて以来、米国内外のニュースを海外に伝えてきた歴史あるメディアだ。いまでは職員は1500人を超え、47の言語でニュースを伝え、世界中で2億3600万人の視聴者、聴衆がいる。240億円を超える予算は米国民の税金だが、客観的な報道姿勢を保っていると評価されている。

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CNN,年末まではテレワークがメインに

 

 CNN World Wideのジェフ・ザッカー社長は、CNNとしては年末までテレワークを基本とするとの方針を示した。

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2020年の米TV収入は13.2%減収予想

(Image credit: Magna)
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トランプ集会をつぶした?? TikTokのZ世代

 

 新型コロナウイルス感染の拡大で休止していたトランプ大統領の支持者集会が、6月20日、オクラホマ州タルサで再開された。トランプ陣営では1万9200席の会場一杯に支持者が集まると予想し、会場に入れなかった支持者のためにわざわざ屋外にトランプ大統領とペンス副大統領を登場させるステージまで準備した。しかし、終わってみれば、会場はスカスカで、参加数は3分の1にも満たない6200人だった。これを機に選挙戦へ向けて勢いをつけたかったトランプ陣営としては出鼻をくじかれた形だ。

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2020年のTV視聴数、平均視聴時間、大幅アップの予想

 

 Stay-at-homeの影響で、2020年のTVの視聴数は2011年以来初めて増加に転じる予想だとeMarketerが伝えている。

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注目されるStreamingローカルニュース――CBSNの試み

 

 新型コロナウイルスの感染が全米で拡大し、ローカルTVニュースへの関心が高まっている。4大ネットワークのニュース番組は全国ニュースの比重が大きく、ワシントンの政治、ウォールストリートの経済、そしてワールドニュースを伝える比率が多い。CNN、Fox News、MSNBCなどの24時間ニュース専門ケーブルチャンネルも、大きな事件事故以外ローカルニュースを伝えることはないし、トランプ政権への固定化した報道姿勢に辟易する視聴者を遠ざけてしまっている。ましてやパンデミック時代のいま、全米での感染状況よりも各郡別の感染数、各地域の医療機関の細やかな情報を得るためのローカルTVの役割が見直されているわけだ。

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Disinformation(虚偽情報)の罠――「経済再開」ツイートの半分はBots

 

 4月中旬から5月にかけ、トランプ大統領の主張に沿って、「ロックダウンを終わらせ、生活を再開せよ」という“Reopen America”運動のデモが各地を揺さぶった。制限を緩めて一刻も早く経済を再開せよ、という呼びかけがソシアル・メディア・ネットワーク上にあふれたが、Carnegy Mellon Univesity(CMU)の調査によると、”Reopen”に関係するTwitter上のアカウントのおよそ半数がオートマティックにリツイートを繰り返すBotsだった。

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米のネットワークTV、4月の広告市場、35%から50%減

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2019-20 TVシーズン、4大ネットのPT帯視聴数は5%ダウン

 

 去年9月に始まったTVシーズンも5月末で終了するが、CBS、NBC、ABC、Foxの4大ネットワークのプライムタイムの平均を足した視聴数は去年に比べ5%ダウンとなった。

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新旧ストリーミングの激しい戦い

 

 4月13日の週の全米のストリーミング視聴時間は1546億分で、これは1年前の同時期のほぼ2倍になるという。Netflixは1-3月期で全世界の有料契約者を1570万件増やした。

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分断のメディア――トランプ大統領とFoxの二人三脚

 

 新型コロナウイルスの感染者が19万人を越え、今でも毎日1000人前後の新しい感染者が出ているニューヨーク市では、Stay-at-homeがもう2か月続いている。

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Kidsを狙え!

 

 Stay-at-homeが始まってから、Streamingは視聴数を伸ばしているが、Bernstein Researchによると、6-11歳、12-17歳の子供たちの昼間の視聴数は300%伸びたという。それぞれのStreamingプラットフォームは、ことに新型コロナウイルスで自宅待機が始まってからは、教育コンテンツや家族で楽しめるコンテンツを急遽アップして子供の視聴数を獲得しようとしている。子供は親の財布に大きな影響力を持っていし、しかも楽しい娯楽に飢えているから、当然の動きだ。

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世界の広告費予想-7%から-17%

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今年のUpfront売上、マイナス33%の予想

 

 先日伝えたように、米ネットワーク恒例の、秋からの新番組の広告枠を大々的に宣伝販売するUpfrontは、今年はオンラインに切り替わり、通常のCM枠購入とは異なる様相を見せているが、Media Postによると、今年のUpfrontでの売上は前年比マイナス33%になるだろうと予想されていることがわかった。昨年のUpfrontは一昨年に比べ7%増だった。

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新型コロナウイルスをめぐる「陰謀論」の横行

 

 Facebook、YouTube、Googleは、そろって5月7日にそれぞれのサイトから”Plandemic”と題する動画を削除した。削除の理由として各社は、動画に「新型コロナウイルスについて医学的に証明されていない内容が含まれていた」からだ、と述べている。

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4月のプライム月極スポット、対Q1マイナス39%も

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ViacomCBS、四半期減収もStreaming積極展開で株価上昇

 

 ViacomCBSは、四大ネットワークの一角CBSとMTVなどのケーブルチャンネル、そしてパラマウント映画を含む総合コンテンツ企業だが、2020年の第1四半期(1月‐3月)の収入が前年比マイナス6%の66億7000万ドルとなったことがわかった。広告収入は19%のマイナスで、これはCBSが2019年にはスーパーボウルの中継権をもっていたので、その反動減も大きいし、新型コロナウイルスで今年の大学バスケットが中止となった影響もある。

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今年のUpfrontはVideo Streamingに

 

 毎年5月中旬に開かれるUpfrontは各TV局の秋からの新番組の宣伝紹介とCM商戦の場で、ネットワーク各局やケーブルTV各社がニューヨーク市内の高級ホテルや劇場を借り切ってプレゼンが行われる。しかし今年は新型コロナウイルスの影響で、大きな従来の方法が大きく変更を強いられている。

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NBCUも大幅なコストカットへ

 

 米国4大ネットのひとつNBCを傘下に収めるNBCUniversalのジェフ・シェルCEOは、12人の役員の20%の報酬カットと、年収10万ドル(約1100万円)以上の社員の報酬の「一部返納」を決めた。

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DisneyのTV広告収入、2020年は20%減の予想

 

 Moffett Nathansonリサーチの推計によると、ABCやESPNを抱えるDisneyのテレビ部門の2020年度通年の広告収入は、新型コロナウイルスの影響によって、前年比20%マイナスの58億ドル(約6380億円)となる見込みだ。2021年には10%の回復が見込まれ、64億ドル(約7040億円)まで戻すとみられている。

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3月のTV広告収入、12.8%のマイナス

 

 Standard Media Indexによれば、ローカル局を除いた3月の全米ネットワークTVの広告収入は、前年同月日でマイナス12.8%の38億ドル(約4180億円)となり、2020年第1四半期では5.4%マイナスの108億ドル(約1兆1880億円)となったことがわかった。新型コロナウイルスによって多くのキャンセルが発生したことが主な原因だ。

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「バイデンは中国に弱腰だ!」――トランプ陣営の選挙戦略

 

 4月27日現在、米国国内の新型コロナウイルス感染者は97万人を越え、死者は5万4000人を越えた。

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「ウイルスの影響甚大」――Fox Corp.役員報酬カットへ

 

 Fox Corp.のラクラン・マードックCEOは、役員と執行役員クラス、合わせて700名の報酬をカットすることを明らかにした。

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Netflix、1-3月で契約者1500万件増

 Netflixの1-3月の全世界での新たな契約者数は、予想の2倍の約1580万件となり、世界全体での契約者総数は1億8290万件となった。

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米国TV広告収入、2020年前半は前年比約25%減の予測

 

 eMarketerの最新の予測によれば、米国の2020年1月から6月までのTV広告収入の見通しは、昨年比22.3%減から29.3%減となることがわかった。主要な原因は新型コロナウイルスによってスポーツ競技が中止となったことによるものだ。

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政治化する新型コロナウィルス――トランプ非難のCM

 

 大統領選挙の年でありながら、新型コロナウィルスの猛威によって、民主党のバイデン、サンダース両候補も集会は開けず、予備選も延期になり、新聞やテレビからも大統領選挙の話題は消えた。その中でトランプ大統領は新型コロナウィルスをめぐって毎日のようにホワイトハウスでタスクフォースチームと記者会見を開いていて、発言をめぐってはつねに物議をかもしてはいるものの、存在感を誇示していることは確かだ。

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新型コロナによる「外出禁止」でTV set使用、大幅アップ

 

 新型コロナ・ウイルスによって、ニューヨーク州を始め、多くの州でStay -at-home(必須の仕事以外在宅勤務)が出され、外出も制限されているが、3月の調査では、TVセットの日中の使用率が大幅にアップしている。

劇場、映画館などが閉鎖されている中では、身近なTVセットがおおいに活用されている現実が浮き彫りとなった。

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UBSによる新型コロナによる広告収入の下振れリスク

 

 UBSのエクイティ・リサーチチームが、新型コロナ・ウィルス感染拡大による2020年の米国メディアの「リスク度」をまとめた。ウィルス感染の状況はまだ全世界で終息からはほど遠く、現状での推定で、今後も最新の数値による改訂が行われることが前提だ。

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VicomCBS株、年初から65%下落

 

 新型コロナウィルスのニューヨーク市の感染者数は3月27日現在、2万1393人となり、2万人を超えた。ここ5日ほどは、毎日新しい感染者数がほぼ3千人を数える勢いだ。

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NBCUniversal、東京五輪ですでに広告契約1100億円超

 

 

 東京五輪の米国独占放送権を持つNBCUniversalは、この時点ですでに10億ドル(約1100億円)の広告契約を終えていることを明らかにした。

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Comcast、Streamingコンテンツへ2年で2200億円投資へ

 

 3大ネットワークのテレビ局NBCを傘下に持つ米国のテレコミュニケーション大手Comcastは、来年4月からスタートするOTTストリーミング・サービス”Peacock”のオリジナルコンテンツ制作とマーケティング費用に、今後2年で20億ドル(約2200億円)を投入することを明らかにした。

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Streamer競争激化で11月のテレビ広告に集中投下

 

 11月の米国はサンクスギビングを中心に、ブラックフライデーやサイバーマンデーなど、ホリデー商戦のピークだ。もちろんクリスマスも大きな年末商戦だが、クリスマスは家族で心のこもったプレゼントを交換するのに対して、サンクスギビング前後は、リテール、eコマースを含めた大バーゲンの季節だ。 

この商戦を目当てにニューヨークにやってくる観光客も多い。

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ViacomCBS、ボブ・ベイキシュCEOの社員宛Eメール

 

 ViacomとCBSが合併したメディア企業ViacomCBSのCEOとなるボブ・ベイキシュがスタッフ全員に宛ててEメールを送った。その内容を訳出する。

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合併したViacomCBSの曖昧な戦略

 

 3年越しで進められていた、米3大ネットワークの「もっともよく見られているチャンネル」CBSと、映画の老舗Paramaout PictureやケーブルチャンネルMTV、Comedy Centralなどを保有するメディア企業Viacomの合併が12月4日に成立した。もともと両社は一つの企業だったし、2006年の分離後も持ち株会社National Amusementsのサムナー・レッドストーンという強烈な個性の元で連携してきたが、96歳と高齢になったサムナーに代わって実権を握った娘のシャリー・レッドストーンによって、ようやく合併が完成しViacomCBSとなった。

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STREAMING WAR 保存版

 

 Apple TV+ が11月1日、Disney+ が11月12日に動画配信を開始した米国では、これからさらに来年4月にはNBCUniversalのPeacock、5月にはAT&TのHBO Max がOTTとしてスタートする予定で、さらに苛烈なStreaming Warを展開しようとしている。

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Disney+、2日間で有料契約1000万件を達成

 

 11月12日、総合エンターテインメント企業の雄Disneyが満を持してスタートした動画配信OTT、Disney+は、スタートからわずか2日で有料契約者が1000万件を超えた。市場はこれに好感して、13日の株価は前日比7.4%アップとなった。このスピードは驚異的で、2008年に動画配信サービスを開始したHuluが有料契約1000万件に達したのは8年後の2016年だったし。1997年にDVDレンタルから事業を始めたNetflixがビデオ・オン・デマンドの動画配信をスタートしたのは2007年で、1000万有料契約を達成したのは2年後の2009年のことだった。

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米TV広告費は2018年がピーク

 

 “eMarketer”のリサーチによると、米国のテレビ広告費は2018年の724億ドル(約7兆9600億円)をピークとして、今後は減少に向かうという。 

 2019年のネットワークとローカル局、ケーブルテレビ局を合わせた広告費(デジタルを除く)予想は、前年比2.9%減となった。2020年には大統領選挙と東京五輪で1%ほど持ち直すものの、長期的には微減が続くと予想している。 

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民主党、大統領選デジタル広告に82億円を準備

 

 2020年の大統領選挙まで1年を切った。11月5日の“New York Times”は、現状では、民主党のサンダース候補でもウォーレン候補でもトランプ大統領の再選を防げず、バイデン候補のみが辛勝する可能性がある、とする世論調査を発表したが、ここからモノを言うのが、カネの力だ。

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米国の子供メディア調査詳報――TV受像機で見る人45%から24%へ

 

 前回、APの記事を紹介したが、Common Senseが8歳から18歳までの米国の若者の日々のメディアとの接触を調査した元の資料『米国10代のメディア調査2019』https://www.commonsensemedia.org/sites/default/files/uploads/research/2019-census-8-to-18-full-report-updated.pdf で、米国の10代がどんなメディアをどのくらい使い、何を見ているのか、詳細を見ていこう。 

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米国の子供、On-line動画視聴時間は4年前の2倍

 

 子供はわたしたちの未来であるとともに、テレビの未来を映す鏡でもあるが、AP通信によると、米国の子供は4年前に比べてOn-line動画を2倍の時間みていることがわかった。 

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Xandr, データ・プラットフォームClypdを買収

 

 米国の通信大手AT&Tのインハウスで、データ分析とビッグデータに基づいたデジタル広告を扱うXandrが、10月18日、Clypdを買収した。Clypdは2012年に設立されたデータ分析の広告プラットフォーム企業で、ドイツのTV局RTLなどが作るSeries Bファンディングが2015年に1940万ドル(約21億3400万円)を投資した若い企業だ。

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インハウス広告会社Xandr、売上げ好調

 

 Time Warnerを買収した米国通信大手AT&Tは、昨年9月Xandrというインハウスの広告会社を設立したが、ターゲッティッド広告とonlineデジタル広告を主な市場とし、Google とFacebookという二大プレーヤーに挑んだ試みは、好調に推移しているようだ。

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NBCU、新しいショッパブルTVをスタート

 

 NBCUniversalは、視聴者が携帯からそのまま商品を購入できるTV番組を始める。

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Disney+の契約者獲得戦略

 

 Disneyが満を持して11月12日にスタートするOTT戦略の中心Disney+は、スタート時点で800万件、そして2020年末には1800万件の契約者を見込んでいる。これは、通信大手Verizonが新たな新規契約と既存カスタマーに対し、1年間のDisney+プレミアム無料提供としてことで、予測される契約者数が伸びた。2020年末までの1800万人の約半数にあたる900万件がVerizon経由となる見込みだ。 

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ストリーミング戦争はテレビ広告に有利?

 

 今回は苛烈な動画配信戦争とTV広告についての”MediaPost”のDave Morgan記者の記事 ”Paradox: Streaming Wars Will Be Great for TV Advertisers”の全訳です。

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テレビ広告産業は機能しているか?

 

 今日のTV広告について簡潔にまとめている”Investopedia”の Dina Zipinアナリストの記事の全訳です。

 

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TV最大の商戦Upfront始まる

 

 米国テレビ界にとって、もっとも重要なイベント、Upfront(アップフロント)が今週から始まる。ネットワーク各局が秋からの新番組をアピールし、アドヴァタイザーとスポットCMの契約をかわす華やかな商談の場だ。 

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ディズニーの制作費は売上の14%、ネットフリックスは83%

 

 米国の企業は、株主への配当を削ってでも、企業価値の向上や長中期的な競争を勝ち抜くために戦略的な資本投資を行うことがある。一度決めた余剰利益処分の方法に惰性的にこだわるのではなく、マーケットの動向と投資戦略が取締役会で激しく議論され、必要に応じて大胆に方向転換をおこなうのが常態となっている。しかし、そのためにはマーケットへの丁寧な説明が不可欠で、企業はホームページや記者会見を通じて頻繁に業績と経営戦略の説明を行っている。アマゾンのように、配当を押さえていても、その投資戦略が明確で、なおかつ利益をあげていれば、株価が大きく上昇し、最終的には株主の利益につながっている。

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世界のデジタル広告、2023年には50兆円規模に

 

  eMarketer(3月28日)によると、世界の広告のうち、デジタル広告市場は、2018年の2822億ドル(約31兆1680億円)から、2023年には約80%増の5175億ドル(約56兆9250億円)にまで増加すると予想される。

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米国のアドレッサブル広告は2020年に3700億円に

 

 Video Advertising Bureauによると、米国のアドレッサブル広告は2019年の25億4000万ドル(約2804億ドル)から2020年には33%増の33億7000万ドル(約3700億円)になる見込みだ。

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テレビ視聴、動画に押される――2018年ニールセン調査

 

 調査会社ニールセンの米国世帯2018年総合視聴報告がまとまった。

 

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売買されるローカル局

 

 ほとんどの地上波ローカル局が系列化されている日本から見ると、米国のローカル局はまったく別の経営形態となっている。ローカル売上合算の上位6社(2015年度)は以下のようになっている。4大ネット以外のNexter、Sinclair、TENGAといったメディア企業名は馴染みがないだろうが、ローカルテレビ局を束ねて経営しているのだ。

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今年のOTT広告収入は26億ドルに

 

 2019年のOTT動画配信の広告収入は前年比20%増の26億ドル(約2860億円)となる見込みだ。OTTの場合、定額動画配信(SVOD)と広告付き無料動画に大きく別れ、もっぱらSVODについて語られることが多く、また、同年のテレビの広告収入予想692億ドル(約7兆6120億円)に比べれば、OTT動画配信広告収入は3.7%にすぎないが、テレビの広告収入が微減を続けるのに対して、OTT広告収入は今後しばらくは2ケタの伸びを示すと予想される。

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CNNの行方――AT&T改革の中で

 

 前回伝えたように、AT&TによるM&Aでワーナーメディアは組織の大改編を迫られているが、CNNはどう変わるのだろうか。再度確認しておくと、ワーナーメディアには現在3つのセグメントがあり、そのうちのひとつ、ターナーブロードキャスティングはニュース、アニメ、エンタメ、デジタルを事業とし、そのひとつにCNNがある。

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AT&Tがタイムワーナーの大改革へ

 

 米司法省によって、タイム・ワーナーの買収が最終的に認められることとなった米通信大手AT&Tが、Netflixに対抗するために、いよいよワーナーメディア、そしてCNNを傘下に持つターナー・ブロードキャスティングの大改編に乗り出す。

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インスタグラム、長尺動画IGTVの行方は?

 

 「インスタ映え」がすでに日常語になったインスタグラムが、去年6月にスタートさせた60分の投稿動画プラットフォームが、今後のインスタグラムの成長をささえるベースとなるかもしれない。

 インスタグラムは2010年に投稿写真シェアのアプリとしてスタートし、およそ2年半で1億人のユーザーを獲得した。

 成長に拍車がかかったのは、2013年6月に15秒動画の投稿とシェアが可能になってからで、9か月後の2014年3月には、ユーザー数は2億人を超えた。

スタートからわずか3年半で2億人の固定ユーザーを獲得したことになる。

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「ジャーナリズム」の意味が変わった?!

 

 米国では、この1月だけで、メディアで働く2000人が職を失ったと言われるが(recode, 2月25日)、ここ数年、新聞、雑誌、ローカル・テレビでレイオフが続いている。2004年にFacebookがニュース広告収入での売り上げアップに乗り出してから、いわゆる「ジャーナリズム」の就業者数は14%も減っている。

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米デジタル広告売上、2019年は19%増の予想

 

 2019年の米国広告市場のデジタル売上は19%増の1293億4000万ドル(約14兆2200億円)となる見通しで、そのうち携帯電話広告はデジタル全体の3分の2の870億ドル(約9兆5700億円)を占めると見られている。広告全体でデジタル広告の締める割合は54.2%となる。

 一方、テレビ、新聞、ラジオを含めた「従来型広告」は前年比5%減の1094億8000万ドル(約12兆400億円)で、デジタル広告が「従来型」メディア広告総額を上まわる見込みだ。

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米デジタル広告売上、2019年は19%増の予想

 2019年の米国広告市場のデジタル売上は19%増の1293億4000万ドル(約14兆2200億円)となる見通しで、そのうち携帯電話広告はデジタル全体の3分の2の870億ドル(約9兆5700億円)を占めると見られている。広告全体でデジタル広告の締める割合は54.2%となる。

 一方、テレビ、新聞、ラジオを含めた「従来型広告」は前年比5%減の1094億8000万ドル(約12兆400億円)で、デジタル広告が「従来型」メディア広告総額を上まわる見込みだ。

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2023年、米国内SVOD視聴時間はテレビと並ぶ

 

 Rethink Technology Researchのリポートによると、世界全体でのSVOD(定額制動画配信)の視聴時間が、2023年にはテレビの視聴時間と並ぶと見られている(”Multichannel News”,2月13日)。

 現在、世界全体でのSVOD契約者総数は4億7800万とされるが、2023年には7億4300万人と55%の増加、北米では契約者が現在の1億4600万人から2億3600万人と61%の伸びと予想されている。

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NBCU、4月からマルチスクリーン測定を採用

 

 放送と通信の垣根がほぼ取り除かれている米国では、スマホを始め、あらゆるデバイスに自社コンテンツを届けることが至上命題だが、それとともに、多様なデバイスで消費されるコンテンツの視聴データをどのように吸い上げ、効果的なアルゴリズムを利用してクライアントへのキャンペーン企画への説得力ある武器とするかが、大きな課題となっている。

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「TV広告はますますデータ基調になる」

 

 米国のTV広告市場では、アドヴァタイザーもヴェンダーもデータ・ドリヴンの広告へと大きくシフトしている。下の図のように、データ仕様のアドレサブル広告は、2016年には7億6000万ドル(約840億)だったが、2018年には20億ドル(約2220億円)と2.6倍に伸び、来年2020年には33億7000万ドル(約3740億円)に達すると見られている。

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ローカルTVとOTT

 

 2019年2月7日の”TVNewsCheck”は「OTTにローカルTVニュースの居場所はあるか?」というリポートを掲載している。概要を紹介する。

(http://cjni.com/local-tv-news-ott/)。

 

「最近の輝かしい話題はOTT――Over TheTopだ。それは理解できる。たくさんのテレビ離れがあるし、ネットフリックスやアマゾンなどがOTTサービスに乗り出しているので、ローカルTVもそのシェアを取ろう、といいうわけだ。しかも会社からは新しい収入となる配信を考えろというプレッシャーもある。OTTこそが向かうべき方向に思えるだろう」とリポートは始まり、「可能性を探る人には拍手を惜しまないが、OTTを始めようとする前にいくつか問うてみて欲しい」として、まず自問すべきいくつかの問いを挙げている。

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今年のスーパーボウル、視聴数も広告収入も減少だが……

 

 アメリカン・フットボールの頂点を決める第53回スーパーボウルは、ニューイングランドのペイトリオッツがロサンゼルスのラムズを破って6度目のチャンピオンとなったが、13-3という最少スコアとタッチダウンの少なさでは、「退屈な試合」と酷評されていて、それが響いたのか、視聴数、番組内広告収入とも昨年に比べて減少した

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CBS,ViacomめぐりM&Aの憶測広がる

 

 たとえ投資ファンドのアナリストであっても、第三者によるM&Aの予想は、競馬の予想と同じようなもので、ある種無責任だが業界の勢力関係や各社の狙いを知るには便利だ。

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デジタル・メディアの今年の注目点

 

 動画配信への動きは今年も拍車がかかることは間違いなく、注目されるのは、Appleがいつどんな形で動画配信マーケットに本格参入するかだ。AppleはAmazon Channels的なサービスを目指しており、すでに、ドラマ専門チャンネルHBOや、Showtimeなどとコンテンツ使用について契約しており、今年の制作費は10億ドル(約1110億円)を超えると見られている。またAppleは去年、『ムーンライト』や『レディ・バード』などの評判の高い映画を次々に送り出しているインディー系の制作会社A24や、チャーリー・ブラウンとスヌーピー、セサミストリートの権利などを獲得しており、子供向けのコンテンツも充実させていく見込みだ。年初の株式市場に見るように、iPhoneの販売に陰りが見えるAppleとしては、今年はさらに動画配信に注力していくことは確実だ。

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Viacom、無料ストリーミングサービスのPluto TVを約377億円で買収

 

 パラマウント映画やMTVを持つpay-TVの巨大企業Viacomが、動画配信サービスPluto TVを3億4000万ドル(約377億円)で買収した。

 Viacomは4大ネットワークと異なり、ローカル局やフットボールなどの大きなスポーツ権利を持っていない。今年動画配信サービスを始めるディズニーやAT&T、2020年のスタートを宣言したNBCに比べて動画配信OTTへの取り組みの遅れが懸念されていたが、Pluto TVの買収によって、on-line動画への戦略を一挙に加速させることになる。

 ロサンゼルスに拠点を置くPluto TVはScripps Networks Interactive, Sky, Third Wave Capital Partners, Samsung Venture Investment Corp.などの投資を受けて2013年に設立された広告付動画配信サービスで、映画やニュース、カートゥーンなどを、100チャンネルをオンデマンドによって無料配信している。

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NBC、ストリーミングサービスに参入へ

 

 4大ネットワークのひとつ、通信大手Comcast傘下のNBCUniversalが2020年から動画配信サービスをスタートする。Comcast CableとSkyの「トリプルプレイ」(pay-TV、高速ブロードバンド、固定電話のセット)に加入している約5200万人の契約者は無料で、それ以外にも通信ライバルのAT&TやCharter、Dishなど、他のpay-TVサービスの契約者も無料となる予定だ。

 Streamingサービスの動画には広告が付き、pay-TVに契約していない場合は月額12ドル(約1330円)の契約料が必要となる。

 サービスの内容は1500時間におよぶNBCテレビの番組と数百時間分のユニバーサル映画のライブラリーをDTC(direct-to-consumer)で配信するもので、漸減するpay-TV契約者数をつなぎとめるスタンド・アローンの方策だ。1時間あたり3分から5分のCMをはさみこむ。

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Netflix、Warner、コンテンツめぐる熾烈なかけひき

 

 ネットフリックスで配信されていて、若者たちの間で人気の、マンハッタンを舞台にしたシチュエーション・コメディ『フレンズ』(Friends)が今年いっぱいで見られなくなる、という情報に、多くのファンはショックを受けたようだ。『フレンズ』は日本でもニューヨークの生の英語を勉強するための教材としても評判だ。

 『フレンズ』はネットフリックスの配信するシチュエーション・コメディでは、『ブルックリン・ナイン‐ナイン』(Brooklyn Nine-Nine)『ビッグバン・セオリー』(The Big Bang Theory)に次ぐ3000万視聴を誇る番組なだけに、その行方が注目された。

 2014年以来ネットフリックスは1シリーズに対して3000万ドル(約33億3000万円)、あるいは1話あたり50万ドル(約5550万円)の配信権料を制作著作権者ワーナー・メディアに支払ってきていた、とされている。

 

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テレビ・ドラマのジレンマ

 

『ウォールストリートジャーナル』紙が「テレビの未来はテレビの過去にうり二つ」’TV’s Future Looks Like Its Past”という記事を掲載した(12月1-2日)。これは、最近の米国ネットワークのドラマやシチュエーション・コメディの多くが過去のシリーズの焼き直しか、コンセプトを現代風にリニューアルしたものであることを分析した記事だ。視聴率を確保し、アドバタイザーの要求に応えることが使命であるマスメディアとしてのテレビが抱えざるをえないジレンマと方向性を示す記事となっている。

(以下はその要約。英語の全文は以下を参照してください

https://www.wsj.com/articles/network-tv-tries-a-new-strategyold-drama-1543592714?mod=searchresults&page=1&pos=1

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Gen XもNetflixがお好き?!

 

 Generation Xとは、ケネディ大統領が就任した1960年代初頭からベトナム戦争終結後の1980年の間に生まれた、現在38歳から58歳くらいの、アナログのメディア環境で育った働き盛りの世代を指すが、eMarketerの調査によると(11月28日)、米国のX世代でテレビを視聴する人の割合は徐々に下がり、デジタルビデオの視聴率がジワジワト上がっていることがわかった。

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老舗スタジオ、ParamountがNetflixのオリジナル作品制作へ

 

 106年の歴史を誇り、『ゴッドファザー』シリーズやジャック・ライアンシリーズなどの名作、話題作を送り出してきたハイウッドの名門スタジオ、パラマウントが、ネットフリックスのオリジナル作品を制作することになった。

 これはパラマウントを傘下に収めるヴァイアコムの11月16日の決算説明会でParamount Pictureのジム・ジャノプロスJim GianopulosCEOが明らかにした。来年から自前の動画配信をスタートするディズニーや、自社コンテンツの確保に力を注ぐAT&T傘下のワーナー・ブラザーズが、ライブラリーの豊富さを背景に、数をそろえて一気に勝負をかけようと、ネットフリックスから違約金を支払ってまで過去の自社制作作品を引き上げているのとはまったく逆の動きだ。

 歴史あるパラマウントが動画配信プラットフォームの「サプライヤー」になる決断に衝撃が走ったが、ジャノプロスCEOは「これは広く付加的な収益を得る潮流だ」と語った

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ESPN、今年の契約解約は200万件

 

 ディズニー傘下のスポーツ専門有料チャンネルESPNの、Pay TVでの今年1年間の解約数が約200万件に上ることがわかった(“Hollywood Reporter”, 11月20日他)。

 現在の契約数8600万件は2013年の9900万件に比べて1300万件の減少で、ESPNは、この5年間で13%も有料契約者を失ったことになる。

 またDisney Channelも昨年の9200万件から8900万件へと契約件数を3.2%落としている。

 これは、数年前に始まったPay TVのコードカッティングの流れが加速しているためで、eMarketerによれば、解約したり、もともとPay TVに加入していない世帯は3300万世帯で、これは全米のTV保有世帯の32.8%にあたる。

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AmazonのアメフトLive配信、視聴数22%アップ

 

 このシーズンの米国では、木曜アメフト中継の“Thursday Night Football”は、毎週視聴数の上位を飾る。テレビ放送権はFOXが持っているが、ネットでのライブ配信権はAmazonが保有している。

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テレビ保有世帯の37%がスマートTV

 

 eMarketer(11月15日)によると、テレビを持つ米国内全世帯のうち37.2%にあたる4600万世帯がスマートTVを持っており、その割合は2017年の16%から大きくアップしている。総務省の2018年の調査によれば、日本での世帯保有率は12%であることから、米国内の普及率は日本の約3倍といえるだろう。

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ディズニーCEO「将来的にはStreaming Serviceが主眼に」

 

 総合コンテンツの王者ディズニーは、来年、動画配信をスタートさせるが、ボブ・アイガーCEOは四半期決算説明会で、DTCの動画配信サービスが将来の事業の主眼(Centerpiece)になる、と語った。

 ディズニーは今年春、スポーツ動画配信のESPN+をスタートさせ、半年で100万有料契約者を獲得した。また21世紀FOXの買収によってHuluの株式の60%を握ることになる。そして来年早々には、いよいよ主力となるDisney+をスタートさせる。

 動画配信サービスDisney+はファミリー層向けのディズニーの豊富な映画コンテンツに加え、Pixar、LucasFilm、Marvel、National Geographicなどの映像コンテンツも取り込む予定で、米国内でスタートさせた後、早々にEU市場にも乗り出していくとみられる

 アイガーCEOは「ESPN+とDisney+はスターティング・ポイントにすぎない。われわれは新しい、独自のコンテンツを、パイプラインを通じてコンスタントにコンシューマーに届け、視聴の面白さと動画の価値をますます高めていく計画だ」と語った。

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選挙開票、視聴数はFOXに軍配

 

 11月6日の中間選挙では、民主党が下院の過半数を奪還したが、TV各局の開票速報番組(午後8時から11時までのプライムタイム)では、FOXが最大の視聴数を獲得した。

 ニールセンによると、2018年選挙開票の総視聴数は3530万で4年前の中間選挙より57%もアップした。投票率も大きくアップしたが、トランプ政権の2年の実績を問う選挙としての注目度が高かったことがこの数字からもわかる。

 その中でももっとも視聴数が多かったのがFOX News Channelでトータルアヴェレージは780万視聴(前回比23%アップ)、次がNBCで570万(同40%アップ)、ABC 530万(同70%アップ)、CNN 510万(同141%アップ)、MSNBC 470万(同182%)、CBS 390万(同24%アップ)と続く。

 25歳から54歳の視聴層に限るとCNNがトップで250万視聴、FOXが240万となっている。

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物議醸すトランプ大統領制作の投票CM――NBS、FOXがOAから外す

 

 米国の選挙では政治的CMがほとんど野放し状態で、ローカルTV局やネットワークの収益を大きく支える一方で、相手候補や対立する党派への誹謗中傷を繰り返していて、民主主義そのものを棄損するのではないか、という大きな問題を抱えていることは、すでに報告したが、トランプ大統領が制作した共和党への投票を呼びかけるCMが、NBSやFOX Newsでオンエアーされたものの、11月5日になって、両局ともオンエアーから外す事態となった。

 このCMは、メキシコから非合法に米国に入国し、二人の警察官を殺害したブラカモンテスという犯罪者が、法廷で不敵な笑みを浮かべて「もっとオマワリを殺してやるよ」と陳述するシーンに「民主党はこうした男をこの国に入れ、この国に滞在させようとしている」というテロップが流れるもので、その後に、大量の移民たちがフェンスを乗り越えていく情景をインサートしている。そして大統領のヴォイスオーバーが「われわれの達成した、すばらしいことが、この選挙で危機に瀕している」と語る30秒スポットだ。

 

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NBCU、ターゲット・データ広告をインハウス化

 

 NBCUniversalが、データ広告の自己最適化システムを独自に開発し、インハウスでAdvanced Advertisingに乗り出すことになった。

 NBCUによれば、社内で開発されたオプチマイザーは、これまで外注してきたものよりはるかに正確性にまさり、ビッグデータを使った広告のリーチの組み立てから結果測定まで、安価でおこなえることになったため、ターゲット広告を含めたインハウスでのAdvanced Advertisingに舵を切ることにしたとして、クリシャン・バーチア副社長は次のように語っている。「われわれのビジネスをトランスフォームするため、われわれは第三者にゆだねず、自分の手で広告戦略とその可能性を作ることができるようになった。マネタイズのもっとも重要な手段を手中に収めたのだ」。

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