【トランプ政権を動かす大富豪――データ・サイエンスの政治学】

恒例の経済誌”Forbes”の2017年版資産者ランキングが発表され、米国のトランプ大統領が、2016年の336位から544位へと大きく順位を下げたことが伝えられた。
 いま、アメリカのメディアでは、そのトランプ政権誕生を支えた「影の大富豪」とその活動が話題になっている。極端なメディア嫌いとして知られる投資家ロバート・マーサー氏Robert Mercerの活動だ。
 マーサー氏は1946年生まれで、コンピュータ・サイエンスを専攻し、IBMで現在のAI(人工頭脳)につながる、「革命的」と言われた言語プロセッシングを開発した。その後、金融マーケットで独自のアルゴリズムalgorithmを駆使してトレードを展開するヘッジファンド〈ルネサンス・テクノロジーズ Renaissance Technologies〉の共同CEOとなった後、ウォールストリートで最も成功しているファンドと呼ばれる〈メダリオンMedallion〉を設立した投資家だ。その運用額は550億ドル(約6兆1600億円)を超えると推定されている。

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【米国デジタル広告市場、2017年は前年比16%の伸びを予想】

eMarketerの調査(3月14日)によると、2017年の米国でのデジタル広告市場は前年比16%増、総額で830億ドル(約9兆2960億円)に上る見込みだ。デジタル広告市場を牽引するのは今年も検索広告(search  AD)マーケットの巨人Googleと、display、mobileマーケットを席巻するFacebookで、Googleは前年比15%、Facebookは32%の広告収入増を予想しており、米国内デジタルマーケットでのGoogleのシェアは40.7%で、Facebookのシェアは19.7%に伸びるとみている。
 Facebookはdisplay Adの分野では全米の39%とトップのシェアを誇るが、今後record 、live双方のVideo contentsに注力することによってさらにユーザーを増やすとみられている。
 注目されているのは、mobile displayを唯一の広告ビジネスとしているSnapchatで、2017年の広告収入見込みは前年比158%の7億7000万ドル(約862億円)。2年後の2019年にはおよそ3倍の22億ドル(約2464億円)が見込まれている。

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【スポーツ権料はTVとFacebook、Googleの戦いになる――

CBSをNetworkの視聴率トップに押し上げたレス・ムンベス会長兼CEOが、米国スポーツ・イベントの要であるNFL (National Football League) について次のように発言して注目を集めている。
「次の権料をめぐる戦いはネットワークと、GoogleやFacebookのような企業との間での戦いになるだろう」。
 これは3月7日に行われた“Deutsch Bank 2017 Media & Telecom Comference”でのスピーチで、CBSはNFLの放送権を2022年まで保持しており、この発言は2022年を見越した発言だ。そしてレス・ムンベス会長はこう続けている。「キャッシュの潤沢なデジタル各社との戦いは避けがたいが、NFLはテレビの側に残り続けるだろう。……デジタル技術の巨人たちはNFLに参加したがっている。NFLはテレビの最高のコンテンツだからだ。われわれは巨大な取引に果敢に進んでいくが、デジタル企業も参入しようとするだろう。しかし、NFLはいまでも放送という聖なる舞台を信じてくれていると思う。

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【テレビ保有世帯の8割がDVR, Netflix,またはVODを利用】

米国のテレビ保有世帯の82%がDVR、Netflix、あるいはVODを利用し、このうち2つを利用している世帯は30%、3つすべてを利用している世帯は14%にのぼることがLeichman Research Group, Inc.の調査でわかった。
 これは全米1211世帯の調査によるもので、64%がNetflixかAmazon Prime、あるいはHuluのSVODに加入しており、53%が月極利用者だ。Netflixの加入率は54%(2011年には28%)、DVR利用者は53%(同44%)で、Netflix加入者がDVR利用者を初めてうわまわった。
 On-DemandやDVR、VOD、Netflixのようなタイムシフトはテレビ視聴の形を大きく変化させてきたが、米国のテレビ保有世帯の半数がDVRを保有し、半数がNetflixに加入していることになる。興味深いのが、DVRやNetflixを見ながらも、テレビで何をやっているかを見るために、スイッチをしばしばテレビに合わせるとした回答が46%にのぼることで、タイムシフト視聴に拍車がかかっていることは確かだが、テレビ番組への関心は保ち続けている

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【ニールセン、Total Content Ratingをスタート――多角的な視聴データをめぐって】

米国の視聴データ調査会社ニールセンNielsenは、1年半ほど前にデジタルデバイスを含む多角的な視聴データ調査をスタートさせると発表していたが、いよいよ3月1日から、Total Content Rating (TCR)がスタートした。
 現状ではニールセンの視聴データ調査方法は約4万8千世帯にアタッチメントを設置し、Degital viewのデータも含めて収集すると同時に、昔ながらの日記方式による200万件を超える全米調査を行っている(日誌形式は来年早々に機械式調査となる予定)。
今回導入が始まったTCRは広範なデータ収集プラットフォームだ。TV視聴率とTVデジタル視聴率(PCあるいはスマホで、TVと同じCMがついた同一コンテンツの視聴)に加え、VODコンテンツ視聴率(VODサービスのサブスクリプションを含むTVでのVODコンテンツ視聴。広告はリニアとは別、あるいはno ad)にDigital Content 視聴率(さまざまなデジタル・プラットフォームで視聴されたリニアとは広告の異なるコンテンツ、あるいはno ad)を加えた数字をトータルに収集・公開していこうというものだ。

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