地震の取材中に一人の画家に出会いました。
彼の名前は、シャビエル・ダレンクールさん(28)。
ダレンクールさんが「火曜の男爵」を描き始めたのは
地震発生当日1月12日(火曜日)の夜。
街の惨状を見た後、駆り立てられるように無我夢中で描き始めたそうです。
作品が完成したのは二週間後の1月末。
完成したとたんにマラリアと腸チフス、さらには扁桃腺炎を併発し、
「死に掛けた」と話していました。
ようやく立ち上がれるようになったとはいえ、
取材中も額に脂汗が浮いてきて、少し辛そうでした。
ダレンクールさんの画、「火曜の男爵」は、
ブードゥー教の精霊の一人「サムディ男爵」(土曜の男爵)にも引っ掛けたそうです。
サムディ男爵は墓場の支配者という、いわば死神のような精霊なんだそうです。