タブレット利用者数が総人口の43%に

米国でタブレット型多機能端末(以下、タブレット)人気が急上昇中だ。特にアップル社のiPad(アイパッド)が圧倒的なシェアを誇っている。アイパッド需要が同社のノート型及びデスクトップ型パソコン需要を上回るほどの人気ぶりで、アップル社最高財務責任者(CFO)ピーター・オッペンハイマー氏によれば、「製造が間に合わない状況」だという。 発売以来14ヶ月で2500万台のアイパッドが世界市場で売れた模様だ。

 

 

米国でもタブレット10台のうち9台がアイパッドという人気ぶりを示している。アイパッドに続けとばかりに、他社もタブレットの導入に力を入れており、現在米国市場ではモトローラやサムソンなど16社がアイパッドの類似品を発売している。


米有力調査会社「SNLケーガン」によれば、2010年末の段階では米国内でタブレットを利用した人口は総人口のわずか2%相当の700万人だったものが、20年には43%、14000万人に達する勢い。特に職場におけるタブレット利用者が増えてきており、経済誌「フォーチュン」が選らんだトップ500企業の75%がタブレットの導入をすでに行ったかあるいは検討中だという。タブレット導入で先頭を切っているのが病院で、これに政府機関、小中学校、建設重機業界などと続いている。

 

米メディア業界もタブレット人気に注目。グラビア写真などが売りの雑誌業界がタブレット向けのアプリケーションを積極的に展開しているほか、購読量が下降線を辿りっ放しの新聞業界も専用アプリケーションを提供し、新たな収入を当て込んでいるのが現状だ。放送業界も、報道番組がアイパッド向けアプリケーションを熱心に提供しているのが目立つ。ケーブルテレビ(CATV)事業者やタイムワーナー傘下のHBOなど有料チャンネルもタブレット向けの番組配信を開始している。

 

また、米CATV大手、タイムワーナー・ケーブル(TWC)やケーブルビジョン(ニューヨーク近郊)では、アイパッド向けの番組配信サービスを開始。TWCでは315日に新サービスが展開されるや否や、30万人が利用した模様で、アイパッドをテレビ代わりとして利用する方法にも関心が集まっている。 <テレビ朝日アメリカ 北清>