自動車広告が昨年比7.2%増

米広告市場における自動車業界の勢いが止まらない。経営破たんに追い込まれ大幅な広告予算削減を強いられた2009年から画期的なカムバックぶりを見せた10年ほどではないものの、今年も大広告主としての存在感を存分に発揮しそうだ。

販売状況に若干かげりがさしているほか、東日本大震災の影響で広告出稿量に影響が出ている日本メーカーなど、決して条件は良くないが、米広告市場調査会社「ボレル・アソシエーツ」によれば、今年の自動車業界による広告出稿量は昨年比7.2%増となる226億㌦(約18080億円)に達するという。日用雑貨業界に次ぎ第2位の広告主の座につくことになる。 

 

同社の調べでは、同業界がインターネットに積極的に広告を出稿する姿勢が鮮明で、昨年比11%増となる73億㌦(約5840億円)をネット向け広告に当てる予定だ。全体の約三分の一をネット広告向けに振り向ける勘定だが、販売店がインターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、さらにはスマートフォン(多機能携帯電話)向けの広告に積極的に出稿する傾向が高まっているためだ。また全体としては新車より中古車の売れ行きが好調で、特に中古車販売店の間でインターネット広告を利用する動きが急増している模様だ。インターネットにとっては第3番目に大きな広告主となるという。


インターネットに次ぎ広告出稿量が前年を大きく上回る媒体が新聞だ。購読量が年々減っており媒体としての価値を疑う向きもあるが、ボレル社では、「新聞購読者は高等教育を受けた熱心な読者が多く(自動車販売の)広告効果が高いと判断したためだ」と分析している。同社では、新聞向けの自動車広告費は前年比9.4%増となる503000万㌦(約4024億円)と見込んでいる。


その他の媒体を見ると、地上波テレビ局向けが昨年比3.6%増となる約23億㌦(約1840億円)、ケーブル局向けが同4.6%増、132000万㌦(約1056億円)、ラジオが同2.1%155000万㌦(約1240億円)、ダイレクト・メールが5.8%127080万㌦(約1017億円)などとなっている。昨年比上げ幅が最大なのが映画で、98.2%増、24660万㌦(約197億円)となる見込みだ。