【Trivia】種なしすいかの生みの親は誰??

すいかがおいしい季節となりました!アメリカでよく見かける種なしすいか。日本でも地域や年代によってさまざまですがよく店頭に並んでいたようです。今ではすっかり数が減ってしまったとか。

 

そこでTrivia!

アメリカなどでは主流となっている種なしすいかの発明者は一体誰でしょう??

 

 

 

 

京都大学大学院 生命科学研究科 分子代謝制御学分野の研究紹介ホームページより
京都大学大学院 生命科学研究科 分子代謝制御学分野の研究紹介ホームページより

答えは『京都大学農学部教授の木原均博士』(1893年10月21日生まれ~1986年7月27日死去)

 

国語辞典で『木原均』と引いてみると、『東京生まれ。遺伝学者。元京大教授。イネ科植物の細胞遺伝学を研究し、ゲノム分析によって栽培小麦の祖先を解明。種なしスイカの結実にも成功。また、モンゴルのカラコルム探検隊長としても活躍した。文化勲章受章。』とあります。ちなみに、この木原博士、実は日本スキー会の創設期に重要な役割を果たした人物でもあるそうです。戦後、日本が冬季オリンピックに本格的に参加するようになったスコーパレー大会(1960年)、インスブルック大会(1964年)には、日本選手団団長を務めました。さらに1972年に開催された札幌大会では組織委員会の委員長を務めました。

 

 

 

ところで、アメリカにも”すいか博士”がいます。1996年、すいかの生産、開発を研究する団体(The National Watermelon Growers Association)から研究を称える賞を受賞したO.J.エイグスティ博士です。そして、そのエイグスティ博士に大いなる影響を与えたのが木原博士 です。『20世紀の生命科学:O.J.エイグスティ教授と種なしすいか』(20th Century Bioscience: Professor O.J. Eigsti and the Seedless Watermelon)(John H. Woodburn著書)には、エイグスティ博士は木原教授の開発した技法から様々なヒントを得て研究をすすめたと明記されています。というわけで、今日アメリカで種なしすいかが普及しているのは木原博士の研究成果のおかげで、と言っても過言ではないかもしれません。

 

そして、木原博士もエイグスティ博士の手助けにより、アメリカで種なしすいかの研究結果を発表し、米学会から高い評価を受けたそうです。すいかを介して日米科学者が深い絆でつながっていたとも言えそうですね。

さて、日米を襲っている猛暑には冷やしたすいかにかぶりつく姿がぴったり、といったところですが、すいかにはグルタチオンという成分が含まれていて肝臓の 働きを活性化するほか、カリウム、シトルリンという成分は腎機能を高めてくれるそうです。とはいっても、食べすぎておなかをこわさないようご注意。ちなみに、すいか(Watermelon)の原産地は南アフリカのカラハリ砂漠とする説が有力で、エジプトでは4000年も前から栽培されていたとのことです (北陸農政局)。中近東や中央アジアの砂漠地帯では水がわりの飲料として重宝され、地中海、東アジア、アメリカで果実用として普及したそうです。日本には 1570年頃に伝わりましたが、品質が悪くて普及しなかったそうです。ところが、明治時代になると欧米から多くの品種が入り、国内でも品種改良が進んだこ とによって日本の夏の果物の定番になりました。

 

少し話しはそれてしまいましたが、種なしすいかの生みの親は『京都大学の木原博士』だということを皆さんは知っていましたか??

 

(NY:みずほ)