伊良部元投手がロス近郊の自宅で自殺

アメリカ・ロサンゼルス近郊にある元プロ野球選手、伊良部秀輝さん(42)の自宅で現地時間27日午後4時20分ごろ男性の遺体が見つかりました。ロサンゼルス郡保安官事務所は、遺体は伊良部さん本人で、「明らかに自殺」だと話しています。

 

 保安官事務所は、死亡日時や遺体の発見状況など「詳細は明らかに出来ない」としています。

遺体はロサンゼルス郡検視局に安置されています。検視局のエド・ウィンター副局長は「死亡推定時間は調査中、遺体の発見状況は言えない」としています。

 

 伊良部さんが所属している会社によると27日、知人が伊良部さんの自宅を訪ね男性の遺体を発見しました。この知人は、遺体は伊良部さんだったと警察に話しているということです。

  伊良部さんの自宅の隣人は、伊良部さんを最後に見かけたのは22日だったと話しています。また、最近は妻と子どもの姿を見かけなかったということです。


  伊良部さんはプロ野球のロッテでエースとして活躍した後、1997年に大リーグのニューヨーク・ヤンキースに入団。モントリオール・エクスポズ、テキサス・レンジャースでプレーした後、2002年に帰国し阪神に入団しました。2005年に引退するまでに日米で106勝をあげました。引退後は、ロサンゼルス近郊のガーデナ市でうどん専門店「スーパーうどん」を開業するものの経営に失敗。2009年に再び現役復帰して米独立リーグでプレーしたほか、四国・九州アイランドリーグでもプレーしましたが、去年再び引退していました。去年5月にはガーデナ市内で酒気帯び運転で警察に逮捕されていました。

 

 テレビ朝日の野球担当記者によると、ヤンキース時代のコーチは「伊良部の才能はクレメンス(通算354勝)以上だった」と話していました。ただ、同時に「精神的に自分をコントロールできないところがあった」とも述べていたということです。

 

 そのヤンキースが伊良部さんの死について声明を出しました。「ピンストライプ(のユニホーム)を一度着た選手は皆、一生、ヤンキースの家族であり、球団全体が彼の死に心を痛めています」と哀悼の意を表明しました。

 

<NY支局 山野孝之>