CNNを含むケーブルテレビ局群やワーナー・ブラザースなど映画部門、さらにはピープル・マガジンなど出版部門を傘下に抱えるタイムワーナー社の同期売上高は70億3000万㌦(約5624億円)、前年同期比10%増と市場の予測を上回る好結果となったばかりか、07年第3四半期以来の最高の成長率を記録した。純利益は13.5%増の6億3800万㌦(約510億円)だった。
ジェフ・ビューケス会長兼最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会談の中で業績好調の背景について説明し、ケーブル局を中心とした放送事業部門における広告収入及びケーブルテレビ(CATV)や衛星放送事業者などから得る再送信料収入が引き続き堅調だったこと、『ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える』(原題:The Hangover Part II)(写真・右)がヒット作となった映画部門、さらにはビデオ・ゲーム『モータルコンバット9』の販売が好調だったことなどを挙げた。
放送事業部門の売上高は前年同期比9%増となる35億㌦(約2800億円)。映画部門は同13%増28億㌦(約2240億円)。出版部門は同3%増9億4600万㌦(約760億円)だった。
ただ、同社売上高の半分が、広告費や再送信料に依存する放送事業部門に偏っている ことを警戒する声もあがっている。ウォールストリート・ジャーナル紙などは、同社が保有する豊富な映画アーカイブを“金の卵”的存在であるとし、米消費者 の間で急速な人気を博し始めているネット配信サービスに供給し利益を上げていくべきだなどと、コンテンツのマルチ配信の本格展開を促している。
地上波CBSネットワークや「Showtime(ショータイム)」など有料チャンネル、また「サイモン&シュスター(S&S)」を含む出版部門、さらには屋外広告部門(CBS Outdoor)を傘下に置くCBSコーポレーションの4-6月期の売上高は前年同期比8%増となる36億㌦(約2880億円)を記録した。純利益は前年同期の1億5000万㌦を倍以上上回る3億9500万㌦(約316億円)を計上した。純利益は前年同
期の1億5000万㌦を倍以上上回る3億9500万㌦(約316億円)を計上した。同社は米メディア企業の中で最も広告収入に依存している企業といわれているが、同社のレスリー・ムンベスCEOは、CBSネットワークの人気SF番組だった『スター・トレック』(写真・左)やコメディー『チアーズ(Cheers)』などをDVDレンタル・ストリーミング大手「ネットフリックス」に再販したことが大きな弾みとなって番組販売部門の売上高は前年同期比21%増8億8900万㌦(約711億円)を記録したことを挙げ、「現在のCBSは数年前のCBSからすっかり様変わりした」と、広告収入依存型から脱却しつつあることを強調している。
<テレビ朝日アメリカ 北清>