ストロスカーン前IMF専務理事 自由の身に

ストロスカーン被告の仮住まい 23日午後
ストロスカーン被告の仮住まい 23日午後

逮捕から3ヶ月。

 IMF・国際通貨基金の前のトップ、

ストロスカーン被告が自由の身になりました。

「家に帰りたい」とコメントしていて

近く母国フランスに帰国するものと見られます。

 

 IMFの前専務理事ニコラス・ストロスカーン被告(62)は、5月、ニューヨークの高級ホテルの客室で清掃係りのナフィサトゥ・ディアロさん(32)に性的な暴行を加えたとして逮捕・起訴されていました。

 

 ニューヨーク地裁は23日、検察側から出された訴追取り下げ申立てを認め、ストロスカーン被告は、自由の身になりました。検察側は申し立ての中で「物証は2人の間に性交渉があったことを証明しているに過ぎない」「密室での事件を立証するには欠かせない被害者の証言の信用性が、彼女がついた数々の嘘で崩れてしまった」として裁判の維持が出来ないと結論付けています。

 

 裁判終了後、ストロスカーン被告は書面で「私たちの家に戻り、普通の生活を再開する事を楽しみにしている」とコメントしています。

 

 ストロスカーン被告が借り上げたマンハッタンのアパート前で取材中のフランス人男性ジャーナリストは『次は無理だけど、彼は大統領を目指すと思うよ』、フランス人観光客の女性は『有望な候補だったけど、もう彼の人生は終わったわ』と話していました。

 

 ストロスカーン被告は、来年のフランス大統領選の有力候補としてサルコジ大統領をしのぐ人気がありました。フランスでは、女性作家のトリスターヌ・バノンさん(32)がストロスカーン被告を強姦未遂で告訴していますがパリの検察当局は立件に消極的だということです。

 

 ストロスカーン被告は、ディアロさんから損害賠償を求める民事訴訟を起こされていますがこちらの裁判ではアメリカからの出国を制限されていません。

 

<NY支局 山野孝之>