ニューヨーク州は全米の中で禁煙運動に取り組む最も熱心な州のひとつです。州の保健局によれば、喫煙が原因で亡くなる人の数が、アルコール、麻薬、殺人、自殺、車の事故、火事、エイズによる死亡者の合計数を上回るそうですが、そんな惨状に危機感を抱いた州の保健局が、喫煙者を減らそうとあるキャンペーン(運動)を繰り広げています。
そこでTrivia!
ニューヨーク州が展開する禁煙奨励運動とは一体何でしょうか?
答えはニコチンパッチや禁煙ガムの無料配布です。
ニューヨーク州健康局のホームページには禁煙をサポートするサイト『New York State Smokers’ Quitline』があります。禁煙を希望する人にはニコチンパッチ6週間分を提供してくれるほか、電話での無料カウンセリングもしてくれます。その他にも禁煙中に禁断症状が出た人へのアドバイスや禁煙に成功した人のメッセージを24時間いつでも電話で聞くこともできます。いずれのサービスも、ニューヨーク州の居住者であれば誰でも気軽に利用できます。
ニコチンパッチやガムをもらうには、生年月日や性別など簡単なアンケートに答えなければいけません。持病や喫煙が原因でかかった病気などがないか、さらには現在禁煙するための薬は飲んでいるかなど、医学的な質問項目もあります。ニコチンパッチやガムの利用に適しているかどうかを判断するためのものです。ニコチンパッチやガムが適用と判断された人には無料で提供されます。
ちなみに、ニコチンパッチなどは街角の薬局でも処方箋なしで購入できますが、2週間分で約30~45ドルの費用がかかります。州や市はその費用を負担して喫煙者を減らそうとしています。喫煙者が減ると、医療費などの節約や、間接喫煙による病気の発生なども減らせることから、ニューヨークのように無料配布を実施している州や自治体が増えています。
ところで、州や自治体あげての禁煙を促進してるニューヨーク州は全米で1番たばこ税が高い州でもあります。保健局によれば、現在たばこ税は1箱につき$4.35。ニューヨーク市はさらに$1.50を上乗せしています。マンハッタンなどでは銘柄やお店により多少値段は異なりますが、1箱9~11ドルで販売されています。たばこ税が上がるごとに、禁煙を試みる人はたくさんいますが、そう簡単にはやめられないようです。ちなみに、たばこ税が一番安いミズーリ州では1箱あたりたったの17㌣。大きな差ですね。
なお、米食品医薬品局(FDA)は2012年 9月以降発売されるたばこのパッケージには、喫煙の危険性をより直接的に伝えるイメージや注意書きの文字を大きくすることを義務づけています。当局による禁煙運動きがますます広まっていくことがうかがえます。