オバマ大統領は来週、最重要事項である雇用対策を発表します。支持率が振るわない大統領にとっては「絶対に負けられない秋の陣」を迎えます。大統領選に向け実績を重ねられるかどうか、カギを握るかもしれない人物として浮上しているのが大統領のおじさんです。
大統領の父方のおじにあたるオンヤンゴ・オバマ容疑者(67)は8月24日、マサチューセッツ州で飲酒運転の容疑で逮捕されました。信号無視してパトカーに追突しそうになり、発覚しました。さらに不法滞在だったことがわかり、現在、連邦移民局が身柄を拘束してます。
そのオンヤンゴ容疑者が国外退去になるかどうかが注目されています。というのもオバマ政権は真面目に暮らしている不法移民については強制送還しない方針を明らかにしているからです。
国内には1000万人以上の不法滞在者がいると言われ、労働者として米国を支えている部分がかなりあります。不法滞在者が米国内で出産した子供は米国人で、不法滞在者をすべて強制送還にすると親子を引き裂くことになるという実態もあります。
オバマ政権の方針はこうしたことを考慮した結果です。
ただ南部などでは不法移民による犯罪が増えているのも事実です。取り締まりの強化が、一方では強く求められています。
一筋縄ではいかない不法移民問題に取り組んでいる最中でのおじさん、オンヤンゴ容疑者の逮捕です。9月5日の「レイバーデー(労働者の日)」が終われば、夏休みが明けて議会も再開します。共和党から揺さぶりをかけられる可能性があります。
オンヤンゴ容疑者は1963年にケニアから米国にやって来ました。不法滞在になって19年です。酒店に勤め、知人らによると、真面目に暮らしていたようです。自宅はケニア人学生が集う場所になっていたということです。
オバマ政権の不法滞在者に対する政策は、来年の大統領選でヒスパニック系などの票を取り込むことを狙ってのことだとも言われています。「おじさんの不祥事」が大統領選に悪い影響を与えることも考えられます。