ハリケーン情報はローカル局で

首都ワシントンやニューヨークなど主要都市を含む米東海岸を襲ったハリケーン「アイリーン」は828日、カナダ東北部に抜け、ニューヨーク市では週明け、主要公共交通機関である地下鉄の大部分が運行再開、市民生活は平常に向かった。ニューヨーク市がハリケーンの直撃を受けるのはほぼ2世紀ぶりとあって大いに関心を集めたが、連日長時間にわたって特別番組を編成した各地元ローカルテレビ局にチャンネルを合わせた市民が急増した。

全米放送事業者協会(NAB)のゴードン・スミス会長はこれを受けて、「情報端末やケーブルテレビ(CATV)サービスが(ハリケーンの影響で)不通になるケースが多発する中で、市民が情報源として頼りにするのはローカル局であることが再確認された」などとする、特別声明を発表した。昨今、既存メディアを代表するローカルテレビ局はインターネットなどニューメディア人気におされ気味だっただけに、NABはローカルテレビ局が非常事態時にライフラインとして重要な役割を担っていることを再アピールして行きたい考えだ。


米連邦通信委員会(FCC)も、ハリケーンに関する当局の緊急アナウンスメントについて、テレビやラジオを頻繁にチェックするよう呼びかけた。また、FCCは、携帯電話通信の渋滞を避けるため、会話を短くしたり、緊急以外は友人などとの通話は控えるよう呼びかけた。また、使用帯域が少なくてすむ、テキスト・メッセージの利用を奨励した。


一方、米メディア企業大手NBCユニバーサル傘下の天気情報専門サイト「weather.com(ウェザー・ドットコム)」が記録的なヒット数を獲得。ユーザーがインターネット上に求める情報の中で、天気関連が筆頭格であることも再確認された。業界誌マルチ・チャンネルなどによれば、アップル社のタブレット型情報端末iPad(アイパッド)利用が突出し、同社動画サイトは1300万件と過去最高のビデオ・ストリーム数を記録した。また、同サイトのページビュー(PV)数も821日の3490万件を皮切りにうなぎのぼり。826日には1350万件とピークに達した。 

<テレビ朝日アメリカ 北清>