スーパーボウルのCM枠ほぼ完売

米スポーツ界はもとよりテレビ界の最大イベントでもあるNFL(米プロフットボール・リーグ)の王者決定戦「スーパーボウル」は来年25日、インディアナ州州都のインディアナポリスで開催される。スーパーボウルはNFL開催試合の放送権を保有するFoxCBSNBC各ネットワークテレビが交代で独占中継するが、来年はNBCの番。同番組中に挿入されるCM枠が9月上旬の時点でほぼ完売していることが分かった。

NBCネットワークのスポーツ・グループ営業・マーケティング担当上級副社長セス・ウィンター氏がこのほど明らかにした。試合までまだ5ヶ月もある段階でのスピーディーな売れ行きに、米テレビ広告市場の活況ぶりとスーパーボウルの群を抜いた強さが改めて確認されたかたちだ。同中継番組には63CM枠が設定されているが、すでに残りは5枠ほど。ウィンター氏は、「年末までに完売する」と胸を張っている。


また、NBCは今回、30秒当たりのCM平均単価について350万㌦(約28000万円)を要求したようだ。Foxネットワークが今年2月に開催されたスーパーボウルで課した300万㌦を大幅に上回るもので、過去最高額を樹立することになった。ウィンター氏は、スポンサー名を明かしていないが、自動車メーカーが数多くCM枠を購入した模様で、全体の牽引車的存在になっているという。自動車メーカーのほかには、ビール・メーカー、飲料水メーカー、さらには映画会社がスポンサーに名を連ねることになりそうだ。


ところで、NBCは前回スーパーボウルを中継した09年同様、スポンサー希望者に、NBCが放送する他スポーツ・イベントのスポンサーになることを条件付けたという。ウィンター氏は、「スーパーボウルCMのみを売るつもりはない。他のスポーツ番組にもスポンサーになっている広告主を対象にしている」と、パッケージ売りを強調している。具体的には来年開催されるロンドン五輪(NBCが独占放送)のスポンサーに名乗りを上げている広告主を優先した模様だ。


米国ではNFL人気が天井知らずといった状況で、その最高峰のイベントであるスーパーボウルも毎年視聴率を更新している。今年2月開催されたスーパーボウルは、米テレビ史上最高記録となる平均視聴者数11100万人を獲得。ピーク時には米総人口の半数以上となる16290万人がチャンネルを合わせたとされている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>