夏休みは終わったはずなのに、先週木曜日から金曜日(9月29-30日)にかけ、マンハッタンがいつもと比べとても静かでした。平日なのに公立学校がお休みだったり、町では家電量販店などが閉まっていたり、地下鉄もすいていました。
実はローシュ・ハッシャーナーだったのです。
そこでTrivia!
ローシュ・ハッシャーナーってなんだかご存知ですか??
答えは、ユダヤ暦の新年祭り。
ローシュ・ハッシャーナーとはヒブライ語で新年のことをさします。今年はユダヤ暦5772年にあたるそうで、大晦日に相当する9月28日の日没後から30日の日没前にかけ、盛大にお祝いされました。
ユダヤ系アメリカ人の多くが政界や経済界で活躍していることを知っている方は多いと思いますが、私が驚いたのはローシュ・ハッシャーナーの期間は、マンハッタン中で様々なお店が閉まってしまうことです。近年、日本では大晦日や元旦にお店を開けるところが増えていることを思い出しましたが、ユダヤ系アメリカ人にとってローシュ・ハッシャーナがいかに大事なホリデーなのかが伺えます。と同時にニューヨーク社会がローシュ・ハッシャーナに大きな影響を受けていることも実感します。ニューヨークばかりでなく、ユダヤ系住民が多くすむ全米各地の地域でもこの新年を祝うところが多いそうです。
さて、ユダヤ人の新年の過ごし方ですが、まずはシナゴーグ(synagogue)と呼ばれる寺院に行きお祈りをします。そして、おせち料理に相当する新年の特別な食べ物を楽しむことが習慣だそうです。それぞれの食べ物には縁をかついだものが多いと聞きました。例えば、りんごを蜂蜜につけ食べますが、これには、甘く素敵なよい年に恵まれるようにとの願いが込められているとか。また、ざくろも食卓にのりますが(写真)、このざくろには613の実が含まれていると信じられているそうです。ユダヤ教の613の戒律を守る誓いを込めながら食べるというわけです。
ところで、ニューヨークに住んでいると、移民の国アメリカを体験するチャンスがたくさんあります。ローシュ・ハッシャーナーばかりでなく、例えばチャイナタウンでは毎年2月に旧正月をお祝いするお祭りが大々的に繰り広げられます。その他、カリブ海諸国出身の住民によるカーニバルやパレードといったように、1年を通し様々な住民が祖国の文化や伝統を祝う行事が行われます。島国の日本で生まれ育った私にはこういった文化の違いを垣間見るチャンスが多くあり、とても興味深く思います。
ということで、ユダヤ系住民が祝うローシュ・ハッシャーナ。ニューヨーク中がホリデー気分になってしまうことを皆さんはご存知でしたか?