【Trivia】巨大ねずみは何のため?

マンハッタンを歩いていると巨大なねずみの風船に出くわすことがあります。新しいお店が客寄せのためにおいているのかと思いきや、この巨大バルーン、どうやら向いている方向が違うような。そして、形相が怖くて客寄せには向いていないような気もします。

そこでTrivia

この巨大ねずみ、何のために置かれているのでしょうか??

実はこのねずみ、労使交渉が行われていることをアピールするための組合側のPR手段なのです。

 

雇用低迷が続くアメリカの中でもニューヨークの失業率は全国平均を超えるほどの高さ。町には不当に解雇されたり、給与や福祉手当などを大幅にカットされた労働者が溢れていますが、不当な扱いを受けていると感じる雇用者や彼らが所属するユニオン(組合)が中心となって、この大きなねずみを雇用主が入っているビルの前に置くのです。

 

なぜねずみなのか。あるネット・サイト情報によれば、もともとは建設業界の労働組合が、非組合員の作業員を雇った雇用主を醜いねずみに例え使い始めたそうです。1990年にシカゴの労働組合が気球などをつくる会社に発注したのが始まり。その後、醜さがエスカレートし、今の形相になったそうです。このバルーン、ニュースなどで取り上げられるようになると、建設業界以外の労働組合も同じような風船ねずみを使うようになりました。

Scabby the Rat(かさぶただらけのねずみ)というニックネームのついたねずみの巨大バルーン
Scabby the Rat(かさぶただらけのねずみ)というニックネームのついたねずみの巨大バルーン

街ではこのねずみを先頭にデモやストライキをしている労働者をよく見かけます。ねずみは、労使問題がこじれています、ということを広くアピールするマスコット人形のような役割を果たしています。ちなみに、この巨大ねずみの大きさは約2.4M6Mとまちまちですが、日本円で約27万円~54万円もするそうですCNNによると、最近こうしたバルーンメーカーには注文がひっきりなし。不景気な世の中の象徴ともいえそうです。巨大ねずみの他にもGreedy Pig(欲張りなぶた)、Fat Cat(太った猫)などの巨大バルーンもあります。いずれも、お金に貪欲な経営者?を意識して意地悪そうな形相をしています。

 

ということで、ニューヨークなどの街角で見かける「おおねずみ」。労使交渉真っ最中をアピールするシンボルであることをご存知でしたか?

 

 

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