【Trivia】世界中の魔女が集まる街!?

1031日はハロウィン。死者の霊が家族を訪ねたり、精霊や魔女が出てくると信じる人もいます。

そこでトリビア!

この時期に、アメリカのある街に世界中から魔女たちが集まるという噂があるのですが、一体どこの街でしょうか??

答えはマサチューセッツ州のセーラム。

 

ハロウィンの時期になると、街角や住宅には様々にカービングされたパンプキンが置かれたり、レストランやデパートはパンプキン一色に装飾されます。ニューヨークではハロウィン当日は思い思いに仮装した子供たちが「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」つまり「キャンディーをくれなければいたずらするぞー」とドアをノックしてまわります。大人たちも、手の込んだ衣装に身を包み、恒例となっているパレードに参加したり、バーなどににぎやかに集ったりします。


そんな中、マサチューセッツ州のセーラムでは、世界中から魔女が集まるということで、23ヶ月も前から小さな町が観光客などで溢れかえります。私も4年程前に一度“魔女”を見てみたいと思い行ってみました。まだハロウィーンまで1ヶ月、しかも平日であったにもかかわらず、セーラムの宿はいっぱいで、隣町の宿がやっととれたという状況でした。そして、確かに、街中のいたるところで魔女らしき人を大勢見かけました。薬草を煎じたり、タロット占いをしたり、さまざまな魔術?を披露してくれました。母親が魔女だったから私も魔女なのという人もいましたが、驚いたことに薬剤師と魔女を兼業しているという女性もいました。

当時描かれた魔女裁判の様子
当時描かれた魔女裁判の様子

なぜ魔女たちがセーラムの街に集まるかというと、1692年に当地で魔女裁判が行われたこととかかわりがあります。当時、医学では解明できなかった病気や、水疱瘡などの感染性のある病気が流行しましたが、人々があまりに恐れるので議会は魔女のせいだと裁判を開き、疑いのかかった男女20人を死刑に処した記録がセーラム魔女博物館に残っています。いわゆる魔女狩りが行われたのです。不治の病が蔓延したことと、カリブから奴隷として連れてこられた女性たちの信仰などが拍車をかけ、魔女疑惑が広まったそうです。小さな街の人々の恐怖心、噂がつくりあげた恐ろしい出来事ですが、そんな歴史的背景もあって自称魔女たちをセーラムの街にひきつけるのでしょう。

 

セーラムは小さな街ですが、街をあげてハロウィンのイベントに取り組みます。魔女裁判や処刑が行われた場所、廃墟になった病院、牢獄などを夜間にまわるツアーなどが大人気です。参加者はカメラを片手に心霊写真を撮ることに熱中し、ツアーガイドはどれが心霊写真であるか分析もしてくれます。暗い過去を背負いながらも、エンターテイメント性を加え歴史を後世に伝えていこうというセーラムの人たちの気持ちが伝わります。


ということで、マサチューセッツ州のセーラムという街に、世界中の魔女が集まることを皆さんはご存知でしたか?

 

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