【Trivia】不思議な会計カウンター

そろそろ年末商戦が始まるアメリカ。不景気とはいえ、デパートなどは買い物客で賑わい始めています。そこでトリビア。お買い物に行った時に通常の会計とは違う「Layaway」という表示がついたカウンターに気がついたことがありますか?そして何のためのカウンターなのかご存知ですか?

答えは、Layawayとは、「お取り置き」ができるカウンターなのです。

つい最近、友人とショッピングに行った時の話です。彼女は何点かの洋服を物色していましたが、一番気に入った洋服をあるカウンターに持って行きました。購入するのかと思いきや、予算オーバーだから取り置きサービスを利用するというのです。顔見知りの店主がいる小さなお店で取り置きをお願いするというのはなんとなくわかりますが、大型店でそんなことができるのかと不思議に思いました。取り置きサービスを扱うLayawayカウンターに行き、手数料と頭金を支払い、何回払いかを決め、最後の支払いが終われば商品を持ち帰ることができる仕組みです。日本の家電量販店などのボーナス一括払いと似ているような気もしますが、高価な商品だけでなく、洋服や靴などでも取り置きサービスが利用できるのです。

 

クリスマス・ショッピングにはまだ時間がありますが、ニューヨークあたりでは、もうすでに今からプレゼントを買い込む人たちが少なくありません。そして多くの人が利用するのがこの取り置きサービス。カートいっぱいに、おもちゃや電化製品などのプレゼントを買い込み、頭金と手数料(通常5ドル)だけを支払いクリスマスまでに少しずつ支払いをしていきます。アメリカでは給与は隔週払いの会社が多いので、2週間毎に支払い期限を設けているお店が多いようです。

 

ある経済紙によると、この取り置きサービスはもともと1930年代の大恐慌時代に始まりました。しかし、1980年から1990年にかけ、クレジットカードが普及するとこのサービスを提供するお店がめっきり減ったそうです。世界最大のスーパーマーケット・チェーンのウォルマートも2006年にはこのサービスを撤退させました。ところが、昨今の経済不況の影響で、再び取り置きサービス需要が高まってきているようです。ウォルマートでは今年に入ってこのサービスを復活させました。また、別なスーパーマーケット・チェーン、Kmart(Kマート)などは、客寄せを目的に取り置きサービスを大々的に宣伝しています。1年を通してこのサービスを提供している店もあるようですが、ホリデーシーズン限定で提供しているデパートなどが多いようです。

 

ということで、経済不況を背景に、アメリカではお取り置きサービスが再び注目を浴びていることを皆さんはご存知でしたか?

 

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