【Trivia】地下鉄ミュージシャンって誰?

世界中からアーティストがプロデビューを目指してやってくるニューヨーク。ダンサー、俳優、歌手、ミュージシャン、画家など様々なアーティストが街のいたるところに溢れています。中でも地下鉄の駅やホームでよく見かけるのがミュージシャンたち。さすがにニューヨークが舞台というだけあって、パフォーマンスはプロなみ! 

そこでTrivia

ニューヨークの地下鉄でパフォーマンスをしているミュージシャンたちは一体どんな人たちなのでしょうか?

 

答えは、ニューヨークの地下鉄、電車、バスなどの交通機関の運営を行っている公益法人(MTAが主催するオーディションを勝ち抜いてきたエリートたちなのです。誰でも好き勝手にパフォーマンスができるとは思いませんでしたが、まさかオーディションがあるとは驚きでした。中にはプロもいるという噂を聞いたことがあります。

 

実は、MTAは地下鉄利用者にレベルの高い音楽を提供したいということで「Music Under New York」、“ニューヨーク地下の音楽”とでも訳すのでしょうか、略してMUNYプログラムを運営しています。毎年1回オーディションを開催し、パフォーマーの選考を行います。MTAウェブサイトによると、このプログラムは1987年に始まったそうです。現在100組以上の合格者が約25ヶ所の人通りの多い地下鉄の駅やホームで活躍しています。

 

オーディションにたどり着くまでには、かなりのハードルをクリアーしなければなりません。書類先行に加え、CDDVDによる選考があり、実際にオーディションを受けられるのは毎年約60組に絞られています。審査員には音楽業界のプロデューサーやMTA関係者が名を連ね、テクニックに加え、パフォーマンスにニューヨークらしさが表現されているかなど厳しくチェックされるそうです。合格すれば、MTAから許可書を受け、晴れてデビュー。MTAから報酬はでませんが、観衆からの心づけは受け取ってよいそうです。MUNYお墨付きのパフォーマーは、プロデビューする機会に恵まれることも少なくないとのこと。また、地下鉄での演奏はコンサートとは違った刺激があるとのことで、多くのプロもこのオーディションにチャレンジするそうです。

世界中の伝統楽器を見かけます。
世界中の伝統楽器を見かけます。

暗くじめじめした構内で地下鉄電車を待っている間に、レベルの高い生の音楽や歌声が聞こえてくると、行き交う人々の顔に笑顔が浮かびます。リズムをとったり、音楽にあわせて踊ったりする人も多く、大都会の喧騒の中で垣間見る心温まるシーンでもあります。

 

ということで、ニューヨークの地下鉄や駅構内でお墨付きのパフォーマンスするためにはオーディションを突破しなければいけないことを皆さんはご存知でしたか?

 

Photo by 柏木茂志

 

<NY みずほ>  他のトリビアはこちらから