11月の第4木曜日はサンクスギビング・デー。日本風に言えば、感謝祭。この日はアメリカ中で家族や親戚が集まり、七面鳥やマッシュポテト、パンプキンパイなどの家庭料理を堪能します。そして、翌日の金曜日はショッピングに明け暮れます。ほとんどのお店で日本の新年初売りのような大セールが行われるためです。一般的にこの金曜日をブラック・フライデーと呼びます。
そこでTrivia!なぜブラック・フライデーと呼ばれているのでしょうか?
答えは、、、
小売店の帳簿がこの金曜日には黒字(ブラック)になるためです。
アメリカではサンクスギビングを皮切りにクリスマスにかけて一年で一番忙しいショッピング・シーズンが始まります。小売店やデパートなどではこの期間だけで一年の半分もの売上を稼ぎ出すほどです。
赤字続きだった小売店がこの日を境に黒字に転じる傾向が顕著になったのは1980年代前半のようですが、それ以来、サンクスギビング翌日の金曜日をブラック・フライデーと呼ぶようになりました。
ただ、ブラック・フライデーには諸説紛々あります。
1966年フィラデルフィアのことですが、この日は町中が大混乱に陥ることから警察の出動件数が多く要注意ということで、地元紙がブラックフライデーと呼び始めたと雑誌「タイム」が伝えています。フィラデルフィアは、大学アメフト試合で最大のライバル校とされている陸軍と海軍士官学校の試合会場に選ばれることが多いのですが、この試合(実際には12月はじめ)が終了するまでは、サンクスギビング・デー翌日から大混雑が続くため、地元警察やバスの運転手などがブラック・フライデーと呼ぶようになったそうです。
また、1869年9月24日が金融市場の暴落が原因で大混乱に陥った金曜日であったことからブラック・フライデーと呼ばれるようになったという説もあります。いずれの説も『混乱』という点で共通しているようです。
ところで、ニューヨークではサンクスギビング・デーに、大手デパートの「メイシーズ」がマンハッタンのセントラル・パーク・ウェスト街から南下する大パレードがあることでも知られています。子供たちが楽しみにしているこのパレードは1924年から続いていますが、ニューヨークばかりでなく、全国向けにもテレビ中継される国民的な行事になっています。
実はメイシーズのPR活動の一環なのですが、このパレードが終わるとどのお店でも一斉にバーゲン・セールが始まります。ブラック・フライデー当日は午前4時から開店するお店が多く、人々の中には長蛇の列を作り、前日から徹夜で並ぶ人もいるほどです。
2008年にはニューヨーク近郊にあるスーパーマーケット・チェン「ウォルマート」で、従業員が開店と同時に店内に駆け込んだ人々の下敷きになり亡くなる事件もありました。また、郊外にある有名なアウトレットをめざすドライバーたちによって付近の高速道路が何キロにも渡って渋滞します。いたるところで警察官の出番となるわけです。
お店の従業員にとってこの日は長時間勤務となりますが、店内が大混雑することや客とのもめごとの対応で、1年で最も大変な一日という意味で、ブラック・フライデーだと嘆いている人も多いとか。
ということで、ブラックフライデーの様々な由来を皆さんはご存知でしたか?