米広告市場で躍進する現代自動車

米広告市場における韓国自動車メーカー「現代自動車(ヒュンダイ)」の存在感が大きくなっている。ヒュンダイの米自動車市場におけるシェアは2009年当時4.2%だったものが今年は5.2%にまで拡大。米消費者団体専門誌「コンシューマー・レポート」などは、品質面でも日系メーカーとほぼ遜色ないとの評価を下していて米消費者の間の認知度も急速に高まっているが、広告市場にも勢力を増してきた。ちなみにヒュンダイの今年10月までの新車販売台数は545,000台と同社にとって新記録となった昨年の販売台数538,000をすでに超えている。AP通信は、トヨタやホンダの市場占有率を侵食し始めていると伝えている。 

 

そのヒュンダイが米スポーツ界ばかりかテレビ界の最大イベントに位置づけられているNFL(米国プロフットボール・リーグ)の王者決定戦「スーパーボウル」にCM5枠を購入したことがこのほど明らかになり話題を呼んでいる。スーパーボウルは世界最高額のテレビCM料金が課せられることでも知られるが、ヒュンダイは来年2月に開催予定のスーパーボウルに、キックオフ直前に60秒枠を、第1クォーターと第3クォーターにそれぞれ30秒枠、試合前の特別番組に30秒枠、合計5枠のスポットCMを購入済みであることが明らかになった。AP通信などが一斉に報じた。


ヒュンダイ側はCM料金について一切ノーコメントの構えだが、米業界誌などは30秒当たりの平均単価は350万㌦と過去最高額に達すると予測している。


スーパーボウル人気は天井知らずといった状況で、今年2月に開催されたスーパーボウルは、米テレビ史上最高記録となる平均視聴者数11100万人を獲得。ピーク時には米総人口の半数以上となる16290万人がチャンネルを合わせたとされている。同中継番組へのCM出稿は絶大な効果があるとされており、2010年のスーパーボウルに思い切って2分間のスポットCMを出稿した米自動車メーカー、クライスラーでは、同社のスーパーボウルCMが評判を呼び、その後の新車販売に弾みをつけ会社の起死回生に役立ったとされている。

 

来年のスーパーボウルはインディアナ州州都のインディアナポリスで開催予定。NBCネットワークが全国向けに独占放送するが、すでに9月上旬の時点で63ヶ所あるCM枠がほぼ完売された模様だ。