米ネットワーク、海外番組販売が絶好調

9月に始まった米テレビ界新シーズン、11月初旬の時点で4大地上波ネットワークテレビ(ABCCBSFoxNBC)の勢力図が、2強(FoxCBS2弱(ABCNBC)の構図に分かれてきた。ABCNBCでは今シーズンからスタートさせた新番組の一部が視聴率低迷のため早くも放送打ち切りを余儀なくさせられるなどの動きも出ている。


そんな中、4大ネットワーク共通にいえるのが、海外番組販売が絶好調なことだ。キャンセルが決まった番組も含め、各ネットワークが高額制作費をあけたドラマ番組に対する外国からの引き合いが後を絶たず、業界誌「テレビ・ガイド」は、「米国は中国との膨大な貿易赤字を抱えているが、ドラマ番組の輸出だけは光っている」と賞賛している。

 

海外で人気の番組一覧を覗くと、ABCがリメーク版として復活させたものの、視聴率が上がらずわずか放送数回でキャンセルされた女性探偵ドラマ『地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェルス』(写真・上)が119ヶ国のテレビ局に販売されたことや、NBCがシーズン初頭でキャンセルした犯罪捜査番組『Prime Suspect』が、フランス、ニュージーランド、ノルウェイ、台湾など30ヶ国に販売されたことが特筆される。


また、同ネットワークのスチュワーデス物語「Pan Am(パンナム)」(写真・右)が日本、ドイツ、スペイン、英国などを含む107ヶ国から、J.J.エイブラムス監督がプロデュースに当たるCBSのアクション・ドラマ『Person Of Interest』は、イスラエル、チェコ、ボリビア、エクアドルなど71ヶ国のテレビ局から引き合いがあったという。

 

その他にも、Foxネットワークの大型冒険ドラマ『Terra Nova』(スティーブン・スピルバーグ監督プロデュース)がイタリア、ロシア、サウジアラビア、アイスランド、ポーランドなど50カ国に。さらにはCBSのルーキー番組でヒット作となった女性刑事ドラマ『Unforgettable』はイタリア、スペイン、ロシア、ドイツなど102ヶ国に販売が決まるといった具合だ。

 

各番組の販売価格などは公表されていないが、米調査会社「SNLケーガン」は、米テレビ番組の海外向け売上高トータルは352400万㌦に達すると見ている。 <テレビ朝日アメリカ 北清>