世界中の子供たちが楽しみにしているサンタ・クロースからのプレゼント。クリスマスの朝に飛び起きて、プレゼントを開け大はしゃぎしている子供たちの姿が目に浮かびます。一方、世の中にはプレゼントをもらえない子供たちもいます。そんな子供たちのためにアメリカの郵便局はあるサンタ・プロジェクトを運営しています。
そこでTrivia!
このサンタ・プロジェクトとは一体なんでしょうか?
答えは、、、
子供たちから送られたサンタへの手紙を預かり、その子供たちにプレゼントを贈ってくれる”秘密のサンタ”を募り、こっそり配達を請け負ってくれる「Operation Santa Claus」です。
アメリカ在住歴の長い大先輩からこのプロジェクトの話を聞き、早速、プロジェクトを運営する郵便局に行ってみました。サンタへの手紙は宛先が「Santa Claus, North Pole Alaska」つまり「北極のサンタ」宛てに明記されていればアラスカ州に送られるそうですが、宛先がアラスカ州北極以外のものは最寄の郵便局で収集されます。ニューヨーク周辺から送られてきたあいまいな宛先の手紙はすべてニューヨーク市中央郵便局で収集されます。マンハッタン34丁目にある中央郵便局には特別な窓口があり、身分証明書提示など簡単な手続きを終えると手紙を読むことができます。ちなみに、プライバシーを保護するため、子供の姓や住所は隠されています。
30通程を読み、思わず手をとめた手紙が「冬は寒いので暖かい洋服や靴がほしい」と、まだあどけない文章で書かれたものでした。また、コートを持ってない母親のために、自分は何もいらないから母親にコートをあげてほしいなどと、けなげにつづった子供もいて、思わずジーンときてしまいました。私だけでなく他の人たちもハンカチで涙をぬぐいながらそれぞれの手紙を読んでいました。子供たちばかりでなく、シングル・マザーからの手紙もあり、「子供にプレゼントをあげたいが家計が苦しくて買うことができない。どんなものでもいいので、ささやかなプレゼントを子供にあげてほしい」などと訴えるものもありました。
「オペレーション・サンタクロース」 を訪れた人々は、サンタにかわって自分があげられそうなプレゼントを準備。後日郵便局に持っていけば、郵便局員が差出人にプレゼントを配達してくれます。
郵便局のウェブサイトによると、このプロジェクトはもともと1912年に当時の郵政公社総裁のフランク・ヒッチコックさんが、「郵便局員や市民がサンタになりかわって手紙の返事を書いてよい」とする判断を下したことから始まりました。1940年代にはサンタ宛の手紙が急増したため、ボランティア団体の協力を得て運営をしていくことになったそうです。現在でも多くのボランティアの人たちがこのプロジェクトを支えています。今年は全米で56箇所の郵便局がこのプロジェクトに参加している模様。最近は不況のせいで、プレゼントを提供してくれるボランティアの数が急激に減っているそうです。私たちのできる範囲で、少しでも子供たちの夢と希望をかなえてあげたいものです。
ということで、プレゼントにめぐまれない子供のために皆さんがサンタになれることをご存知でしたか?