米調査会社ニールセンが2011年における米テレビ界人気番組トップ10を発表した。特別番組のカテゴリーではNFL(米プロフットボール・リーグ)王者決定戦「スーパーボウル」が、シリーズ番組ではFoxネットワークのオーディション番組「アメリカン・アイドル」がともに不動の視聴率ナンバーワン番組にランクされた。
また、同年は、HDD内蔵型のデジタル録画機(デジタル・ビデオ・レコーダー:DVR)やインターネット上の番組配信の普及が顕著だったため、「自分の見たい番組を、自分が見たい時に見る」タイムシフト視聴が活発に行われた年でもあったことを指摘している。これを受けて、タイムシフト視聴による人気番組番付も発表された。
まず、特別番組のカテゴリーを見ると、Foxネットワークが同年2月6日に中継したスーパーボウルが総世帯視聴率37.7%、平均視聴者数は米テレビ史上最高記録を塗り替える1億1104万人超を獲得、群を抜いた人気ナンバーワン番組に選ばれた。2位にはスーパーボウルの試合開始前にFoxが放送した事前番組が視聴率23.6%(平均視聴者数6966万人)で、第3位には同試合直後に放送されたポスト・ゲーム番組が視聴率22.4%(同6603万人)でそれぞれランクされた。9位にランクされたアカデミー賞受賞式中継番組(ABCネットワーク)を除くすべてのトップ10番組がNFL関連番組で占められた。NFL番組の無敵ぶりが改めて浮き彫りになった年とも言えそうだ。
シリーズ番組のカテゴリーを見ると、ナンバーワンにランクされたのがFoxネットワークのオーディション番組「アメリカン・アイドル」(水曜版)(写真・右上)。総世帯視聴率8.1%、平均視聴者数2395万人と以前ほどの勢いはないものの、2007年以来連続でトップの座についている。同番組に続いたのがアメリカン・アイドル(火曜版)、視聴率は7.5%、平均視聴者数は2201万人だった。3位にはNBCが毎週日曜夜に放送したNFL中継番組「サンデー・ナイト・フットボール」(同7.1%、2055万人)、4、5位にはABCネットワークが毎週月曜日、火曜日に放送したダンス・コンテスト番組「Dancing with the Stars」がランクされた。7位にCBSネットワークの犯罪捜査番組「NCIS:ネイビー犯罪捜査班(邦題)」、10位にNCISロサンゼルス編が入ったほかはすべてがリアリティー番組とNFL番組で独占されているのが特徴だ。
なお、DVR視聴で最も視聴率が底上げされた番組を見ると、ケーブル局の番組が上位10番組中9番組も占めたのが特筆される。DVR視聴者数をかんがみると視聴者数が95.3%も増えるFX(ニューズ・コーポレーション傘下の若者向けケーブル局)のホラー・ドラマ「American Horror Story」が1位にランクされたほか、若者に人気のケーブル局ドラマ番組が勢ぞろいしている。
<テレビ朝日アメリカ 北清>