フォークランド紛争から30年 原油を巡り再び緊張

死者900人を出した紛争から30年。

原油価格の上昇を背景とした油田開発をきっかけに

フォークランド諸島を巡る緊張が再び高まっている。

20日にはアルゼンチンの首都ブエノスアイレスにある

イギリス大使館にデモ隊が押し寄せた。

フォークランド諸島の首都スタンレー
フォークランド諸島の首都スタンレー

ロイター通信によると、イギリス大使館前に集まったデモ参加者はおよそ50人。イギリスとの国交断絶を叫び、イギリスの国旗ユニオンジャックに火をつけた。

 

フォークランド諸島付近には、推定埋蔵量600億バレルの膨大な原油があることが分かっている。イギリス、アルゼンチン両国は、フォークランド諸島周辺のおよそ170万平方キロの大陸棚の領有権を主張している。原油価格の上昇を受け、20102月からイギリス企業が試験採掘を始めたことにアルゼンチン政府が鋭く反発。


さらに去年11月、空軍パイロットのウィリアム王子がフォークランドの基地に配属されることが発表されると、アルゼンチンを含む南米4カ国がフォークランドの船の入港禁止で合意した。これに対しイギリスのキャメロン首相は、緊急時の軍部隊の派遣を認める案を承認した。

 

フォークランド諸島は南米アルゼンチン沖およそ480キロにあり1833年からイギリスが実効支配を続けています。長年領有権を主張してきたアルゼンチンの攻撃で始まった1982年のフォークランド紛争では、双方におよそ900人の戦死者を出し、イギリスが勝利しました。現在の人口はおよそ3000人で、イカ漁が主力産業となっている。ウィリアム王子は2月1日から6週間にわたって同島での任務につく。

 

<NY支局 山野孝之>