外部電源喪失で緊急停止 ベントでトリチウム放出も イリノイ・バイロン原発

30日午前、アメリカ・イリノイ州の原発が外部電源を喪失し緊急停止しました。予備電源のディーゼル発電機が作動し現在は安定していますが、放射性物質を含んだ蒸気が放出されました。

30日午前1018分ごろイリノイ州のバイロン原発が、2号機の外部電源を喪失し、異常事態を宣言しました。原発 を運営するエクセロン社は2号機が自動的に緊急停止し、ディーゼル発電機が設計どおりに稼動したとしています。また、原 子炉内の圧力を下げるための蒸気の放出・ベントも行われ、放射性物質のトリチウムが想定内のレベルで外部に放出した としています。NRC・原子力規制委員会は、今回の事故について緊急事態を4段階に分けたうちもっとも低い事態だ とし、蒸気の放出も周辺住民への危険はないとしています。外部電源を喪失した原因は分かっていません。2号機はウエ スチングハウス社製の加圧水型原子炉(4ループ型)で、19878月から稼動しています。AP通信は、エクセロン社が外部電源喪失の原因について、「変電所の施設の故障」と見ていると報じています。  止

 

<ニューヨーク支局 山野孝之>