アメリカのNRC・原子力規制委員会は1月31日、地震が少ないとされてきた米東部などの地震の危険性を見直し、個々の原発に対し、耐震性を検証し直すよう求めました。
NRCなどの調査は去年3月の東日本大震災がきっかけで始まりました。調査の対象は北米への植民が本格化し始めた時期にあたる1568年から2008年までに発生した3300の地震に範囲を広げ、大地震発生のモデル作りを進めてきました。1月31日に発表された新たなモデルでは、複数の地域でこれまでの想定よりも強い揺れに襲われる可能性を指摘しています。特に大地震が繰り返し起きているミズーリ州・ニューマドリッド市やサウスカロライナ州・チャールストン市周辺では注意が必要だとしています。NRCはこのモデルを元に、個々の原発が耐震性を評価し直すよう求めています。アメリカ中西部や南部、東部は、あわせて96基の原発を抱えています。これまでは西海岸と比べて地震が起きる確立が低く、安定した地域とみなされてきました。ウォールストリートジャーナルは、「耐震補強工事の費用次第では閉鎖する原発も出てくる」とする専門家の意見を紹介しています。また、原発だけでなく、一般の建物の耐震基準や保険料にも影響が出る可能性を指摘しています。 止
<ニューヨーク支局 山野孝之>