続編はスーパーボウルの翌日、6日付けの「USAトゥデー」に掲載されました。
4ページにわたる別刷り広告が、スーパーボウルの記事がトップを飾る本紙を包み込んで配達されました。
「ビッグゲーム(スーパーボウルというお祭り)は終わった。月曜日の朝が来た。米国民は仕事に行く」
「これまで成しえたいくつかの成果にしがみついていたら、前には進めない」
「現状に満足してはいけないことを、我々は唯一、学んできた」
「我々は後半戦に勝つために、米国全体のために取り組む」
「我々は全員が仕事に戻らなければならない」
こちらもイーストウッドさんの写真が大きく載っています。
クライスラーは2009年4月に経営破綻しました。
その後、再建が順調に進み、6年前倒しで公的資金を返済しました。
自動車販売台数は大幅な増加を続け、完全復活に向けて進んでいます。
クライスラーのCMは業績を回復している自社をアピールする狙いがあります。
一方で、失業率の改善が続き、株価もリーマン・ショック前の水準まで戻るなど、明るい兆しが出てきた米国全体に「まだまだ気を抜いてはいけない、後半戦を頑張らねばいけないと復活はない」と訴えかけているようです。
米国経済の回復が本物かどうか、議論が分かれています。この先のことは誰も分からないというのが、正直なところです。ただ、米国経済が「金融主役」から「物づくり主役」に移行していることは読み取れます。「浮かれずに働こう」と呼び掛けるこのCMのように米国が進めば、米国経済の回復はより確かなものになるでしょう。米国から「勤勉の勧め」を学ぶ日は近いのかもしれません。
<ニューヨーク支局 名村晃一>